石鎚山 土小屋コース(前編)【日本百名山】

こんにちはしこぐらブログの四国グラフィです。
この記事では石鎚山登山の土小屋コースについて紹介します。

※この記事の元となった登山は2021年10月中旬および2022年10月下旬です。
※記事を前後編に分割しています、後編はこちらから → 石鎚山(土小屋登山口) 後編

石鎚山 概要

石鎚山 (いしづちさん)
標高1982m 西日本最高峰
愛媛県西条市/久万高原町
日本百名山
新日本百名山
花の百名山・新花の百名山
四国百名山・百山

石鎚山について

四国随一の人気を誇る石鎚山は、四国に2座ある日本百名山のうち1つです。
最高標高は天狗岳1982m西日本最高峰でもあります。

※近畿以西を西日本と定義した場合。

石鎚国定公園

石鎚信仰

石鎚山は古くから霊峰石鎚として名高く、江戸時代以降に栄えた山岳信仰のメッカであり、日本百名山であるとともに日本七霊山にも名を連ねています。
いわばこの山域自体が神様というわけですね。

石鎚神社ウェブサイトはこちら

石鎚信仰の由来

石鎚山は7世紀飛鳥時代役の行者(えんのおづぬ)により開山されたと云われています。

弘法大師をはじめ多くの行者が修行したとされ、源家や豊臣家など各時代の戦国大名、この地域を治めた藩主らからひろく信仰を集めたそうです。

御祭神

御祭神は石鎚毘古命(いしづちひこのみこと) で所願成就の神様であられます。
ほか玉持、鏡持、剣持の3つのご神像をお祀りされています。

石鎚神社 四社

石鎚山をご神体とする御社として以下四社があります。

  • 口之宮 本社
  • 土小屋遥拝殿
  • 中宮 成就社
  • 奥宮 頂上社

口之宮本社JR石鎚山駅付近に近く、瀬戸内海を望むアクセスの良い場所にあります。

土小屋および成就社は共に中腹7合目に位置し、それぞれ登山口として用いられています。

特に頂上社から眺める天狗岳の姿は切り立ったシャープな姿は信仰心を篤くするのも納得の神々しさで、表参道コースで目にすることのできる4つの鎖場は信仰のシンボルとして印象深いです。

天狗岳からみる頂上社

動植物と花の百名山

石鎚山周囲の樹林帯は暖帯林から亜寒帯林まで変化に富んでおり、亜高山帯針葉樹林(ダケカンバ、シコクシラベ等)として日本最南端であるとされています。

それゆえ多彩な動物が生息しており、国指定鳥獣保護区および林野庁森林生態系保護地域に指定されています。

また西日本一のその標高から高山植物にも富んでおり、花の百名山および新・花の百名山に紹介されています。
紹介されている植物はキレンゲショウマフガクスズムシソウです。

登山に適した時期は?

石鎚山は通年登られていますが、冬は四国一の雪山となり頂上付近は難所となります。
林道の通行止めもあり基本的に通年使用できるのはロープウェイ駅を用いた成就社からのコースでしょう。

無雪期はさまざまなコースで歩かれており特に秋の紅葉で登山客のピークとなります。
山頂付近の紅葉のピークは10月中旬ごろで、初心者から年に複数回登るベテランまで山頂は大混雑します。

そのほか春・夏は高山植物の開花時期となり、また標高から虫や湿度に悩まされることも少ないです。
冬と残雪期を除いた4−11月であれば初心者でも挑戦しやすく楽しめる山といえるでしょう。

頂上山荘

石鎚山の弥山山頂には有人ヒュッテがあります。
例年5月〜11月上旬まで営業しています。

宿泊は完全予約制の大部屋。
10時〜15時で一般登山者も食堂が利用できます。

石鎚神社 頂上山荘

詳細はウェブサイトをご覧ください。

石鎚神社 頂上山荘
https://sanso.ishizuchisan.jp

登山口情報

石鎚山の登山コースは多くあり、難易度もさまざまです。

比較的多く歩かれるコースとしては初心者向けの土小屋コースロープウェイ駅からの成就社コース
その他南西から面河渓沿いに登る面河コース、ロープウェイ開通以前に歩かれた西之川コース、西の堂ヶ森・二ノ森から縦走コースなどがあります。

土小屋登山口

今回歩いたのは最も登りやすい土小屋コース
起点は石鎚神社土小屋遥拝殿の近くの無料駐車場です。

なお四国百名山のひとつ筒上山への起点にもなっています。

アクセス

西は石鎚スカイラインの終点にあたり、東は瓶ヶ森林道(UFOライン) との合流部付近となります。
案内は豊富なので道迷いの心配はありませんが、走行距離は相応に長くなるでしょう。

なお高知県側からアプローチする際には194号線を北上する中途で石鎚国定公園の案内がありますので、いの町本川にて40号線へ入るルートも選択できます。
この途中ではわかりにくいですが手箱山への登山口もあります。

登山口情報

石鎚四社のひとつ土小屋遥拝殿のほか公衆トイレ白石ロッジモンベルショップ自販機などがあり登山口としては充実しています。

駐車場は広いのですが、登山シーズンの休日は朝一番でも埋まってしまうくらいの人出がありますので、なるべくお早い出発をお勧めします。

林道開通期間

最も初心者向けだと思われるこの土小屋コースは、毎年およそ11月末頃から3月いっぱいまでは石鎚スカイラインとUFOラインの閉鎖により使用できなくなります。
冬場の石鎚山登山では、ロープウェイでスタートする成就ルートがメジャーです。

東西どちらの林道も落石や凍結などにより通行規制がかかることがありますので、事前にチェックしておきましょう。
石鎚スカイラインは開門/閉門時刻が設定されていますので、そちらも確認が必須です。
日没に合わせた時間となっていますので下山が間に合うように計画しましょう。

石鎚スカイライン開閉門時刻情報

土小屋コース紹介

今回登る土小屋コースは主要コースの中で最短時間での登頂が望めます。

およそ2時間弱での登頂が目指せるコースとなっていますので、老若男女楽しめるでしょう。

コースマップ

尾根道をおおよそ西北西に緩やかに高度を上げてゆきます。

二ノ鎖手前の元小屋成就社からの表参道と合流。

そこから二ノ鎖三ノ鎖の2つの鎖場を経て石鎚山弥山(みせん) 山頂に至ります(迂回路あり)。

鎖場

二ノ鎖:長さ65m
三ノ鎖:長さ68m

特に三ノ鎖は全国有数の長さを誇る急峻な岩場です。
それぞれに迂回路も整備されていますので自信のない方も安心して登頂を目指せます。

鎖場は危険も伴い重大事故も起こっていますので、くれぐれも用心して。
先行者がいれば落石の危険も増しますのでヘルメット持参を推奨です。

三ノ鎖の断崖
二ノ鎖の直下より

所持品の注意

無雪期の石鎚山は特別な登山グッズが必要な場合が少ないですが、いくつか注意点を挙げておきます。

  • 上着(山頂用)
  • グローブ・手袋
  • ヘルメット
  • 小銭
  • 山荘用のお金・マスク

夏場でも山頂は風が通り冷える場合が多いので、必ずライトシェルなどの上着は持参しましょう。

鎖場に挑戦するならば使い慣れたグローブおよびヘルメットを。

また二ノ鎖元小屋のトイレは管理維持費として使用料100円です。
ほかお参りのために小銭を持参しておきましょう。

山頂にある石鎚山荘を利用する場合はマスクとお金を持参しましょう。

登山記録

10月中旬の平日、日の出と同時くらいに高知市を出発したのですが、それでも土小屋駐車場はほぼ満車の状態でした。
山頂でご来光を見て下山する方々もおられるので、その方々とは入れ替わりでちらほら出ていく車もあります。

駐車したらゆっくり準備して9時前くらいから登り始めます。

土小屋登山口より

土小屋登山口付近
山頂まで4.6km

登り始めから尾根に乗って緩やかな道が続きます。
修験の道として登られていた石鎚山、この山での挨拶は「おのぼりさん」「おくだりさん」と声を掛け合うようです。

軽快に進んでいき20分程度で鶴ノ子ノ頭の麓を通る巻道へ入ります。

土小屋コースには3箇所にベンチが設置され、それぞれベンチ1−3と標があります。

ベンチ1を過ぎるとやや急な階段の登りが登場します。
周囲が背の低い笹にかわり、ところどころ目指す石鎚山が眺められるようになります。

階段を登り終えたらやや降り気味に歩いてベンチ2の広めの休憩所に着くと、およそ行程の半分です。

東陵分岐部より

もう少し進み、山頂まで1.6kmの場所でベンチ3です。
ここは東陵コース分岐部でもあります。

東陵コースについて

東陵コースはベンチ3より西へ分岐して進み、ササ原の藪漕ぎルンゼ絶壁登りを越えて通常の逆側から最高地点である南尖峰を目指すコースです。

恵まれた紅葉やシャクナゲの群生、矢筈岩をはじめ魅力ある景観もありますが、危険度の高い熟練者向けのコースです。

昔から通行者が多いためにバリエーションコースと認知されていますが、入口には通行禁止の看板がある通りですので、充分承知の上で。

二ノ鎖元小屋へ

ベンチ3より直進し、今度は石鎚山頂北壁を左前方に見ながら二ノ鎖小屋へ向かっていきます。

木組の足場で怪しい箇所がありますので足元に注意して。
一部左手は岩壁になっているので落石にも一応注意を払いましょう。

やがて北の成就社方面への視界が開け、じきに鳥居が見えます。
ここで表参道コースの登山道とも合流になります。

土小屋登山口から4kmおよそ85分
階段を登って二ノ鎖元小屋へと到着です。

鎖場の前のひとやすみです。
平なスペースに休憩所水洗トイレがあります。

鎖場へ

さて、それでは鎖に挑戦していきます。
ヘルメットやグローブの準備をして、ポケットなどからも物が落ちないように確認しましょう。

二ノ鎖

二の鎖は元小屋を過ぎて鳥居から左へ。
鎖に取り付いておおよそ65mの登りです。

鎖に登る方も多く順番待ちになりますが、間隔を詰めすぎないようにしましょう。
一気に高度が上がり、先ほどまでいた元小屋がずいぶん下に見えてきます。

二ノ鎖の登り
順番待ち状態

三ノ鎖

二の鎖を登り切るとすぐに三の鎖麓です。
この三の鎖が本番で先ほどの二の鎖よりも距離も角度も増しています。全長68m

鎖に沿って左右に三角形の金具も埋め込まれていますが、こちらは足を通し踏み場にするアブミですので活用しましょう。

しっかり体重を預けられる場所を確認しながら慎重に登ります。何より安全第一!

三ノ鎖の岩壁
鎖途中で見下ろした場面

筆者は鎖場を登ること自体は余裕がありました。
前後の人との間隔や小石を落とさないように気をつけるのが大変で時間もかかりました。

それなりに腕力も必要になります。
混雑している時は迂回することも考えましょう。

鎖場の迂回路

鎖場の迂回路には画像のように手すり付きの道が渡されていますので、どなたでも通行できます。

ただし急激に標高が上がるため、それなりに山場になります。迂回路でおよそ25分程度です。

登り終えたら石鎚山弥山(みせん)山頂です。

弥山標高は1974m
石鎚神社 奥宮頂上社が眼前に建っています。

石鎚山山頂(後編へ)

長いため前後編に記事を分割しています。

石鎚山後編記事では山頂の景色を一通り堪能した後、最高地点の天狗岳南尖峰へ渡ってゆきます。

石鎚山頂看板

写真や動画で山頂の様子をたくさん掲載していますのでぜひご覧ください。

石鎚山 土小屋ルート(後編) へ

参考コースタイム

土小屋登山口
〜鶴ノ子ノ頭(巻道)
〜ベンチ1 (30分)
〜ベンチ3・東陵基部 (25分)
〜二ノ鎖元小屋 (30分)
〜迂回路
弥山山頂 (25分)
天狗岳 (10分)
南尖峰 (10分)

合計歩行時間 2時間10分

あとがたり

全シーズンを通じて楽しめる石鎚山の記録でした。
四国内ではダントツに人も多いですが、やはり毎年登りたくなる山です。
バリエーションルートも多数ありますが難易度の高いコースもありますので入念な準備の上で望んでくださいね。

それではまた後編で。

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Re-written
ver1. 2022.1.9.
ver2. 2022.11.21.

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