稲叢山【新日本百名山】
こんにちは四国グラフィです。
今日は高知県稲叢山についてお届けします。
※この記事の元になった登山は2022年2月です。
稲叢山について
標高1506m
高知県土佐町/いの町
四国百名山、花の百名山、新日本百名山
稲叢山は高知県中部、いの町と土佐町境に位置する山で、四国百名山及び新日本百名山に選ばれています。
新日本百名山は岩崎元郎氏により選定された百山であり、中高年に登りやすく人生豊かにするための登山をテーマにされた新たな百山です。
稲叢山もそれに相応しく、複数の歩きやすいコースはいずれも手軽に登ることができ、また平家の落人伝説の舞台でもあるなど見どころの多い山です。
麓には稲村ダムが位置し、四国中南部の山脈と合わせて美しい展望を成しています。
それではご紹介していきましょう!
アクセス
登山口はいずれも稲村ダム付近にあり、適した公共交通機関はありません。
自動車では大豊町などから瀬戸川渓谷沿いの県道6号線を用いるか、愛媛県西条市と高知県いの町を繋ぐ国道194号線から稲村ダムを目指しましょう。
ともに冬場は積雪や凍結の可能性が高いため、冬用タイヤの装着を強く推奨します。
ダム周囲に駐車可能スペースがあり、管理事務所付近の水洗トイレが利用できます。
コンビニは近くにはありませんので、大豊町もしくは西条市で買い物を済ませておきましょう。
その他の登山口としては稲村トンネルからも登山道があり、稲叢山から西門山を結ぶ縦走路上の稜線鞍部にすぐ合流します。
山頂付近の花や植物を楽しみたい場合、またピークハントが目標の場合はこのトンネルコースが最短ルートとなります。
登山ルート
稲村ダムからは3本の登山ルートがあり、いずれもよく整備されて歩きやすいです。
山頂小路ルート | 南側急勾配の登り 距離的に最短 | 約70分 |
渓谷ルート | 滝や伝説の洞窟を経由 | 約100分 |
送電線ルート | 旧稲叢山登山道 比較的緩やかだが距離は長い | 約100分 |
初めて登るならば、登りは見どころである伝説の洞窟や滝を経由する渓谷ルートが変化に富んでおすすめです。
春の季節は山頂東尾根の花も楽しめます。
下りはお好みのコースを選べば良いですが、山頂小路ルートは急な下りが連続する点に留意しましょう。
今回の記録では真ん中の洞窟コースで登り、南の山頂小路コースを降りることにします。
準備・装備
稲叢山登山で特別に必要とする装備はありません。
難所もなくコースも明快で、初心者の方でもとても登りやすいです。
冬場の積雪対策ですが、今回はチェーンスパイクを持参して山頂付近から下りにかけて使用しています。
今回はかなり歩きやすい山行でしたが、積雪量と雪の性状次第では序盤からアイゼンなどが望ましいかもしれません。
無雪期でも渓谷を渡る際は滑りやすいことがありますので十分注意してください。
登山開始
稲村ダムより、奥の登山口方面へ歩き始めると、まず送電線ルートへの入口があり旧登山道の看板が立っています。
直進して10分ほどで看板に従い洞窟への看板へ従い右折します。
さらに5分ほどで渓谷ルートと山頂小路ルートの分岐があり、右手の渓谷方面へ入れば本格的にスタートです。
登り始めより薄い積雪があり、凍った渓谷を渡りながら谷川に沿って登っていきます。
所々氷柱が散見され、水面は凍りついていて冬の美しさが感じられます。
渓谷沿いに登っていくこと10分ほどで、左手に大きく折れ山道に入ります。
短い急な階段を登り、しばし巻道を歩いてゆくと洞窟への案内看板が見えてきます。
ここから50mやや降り気味に進むと、登山口より30分程度で伝説の洞窟へ到着です。
この洞窟は、屋島・壇ノ浦の合戦に敗れた平家残党58名が彷徨の末に迷い込み身を隠し、源氏の追撃は逃れたものの力尽きて悲壮な最後を遂げたという伝説が秘められています。
すぐそばには小さな柴折地蔵が祀られています。
落武者たちの魂は現代ではまた別の場所に祀られていますが、しばし伝説の舞台の神秘を楽しみましょう。
もう少し進むと、2枚岩の休憩・展望スポットに到着です。
伝説の洞窟から
洞窟を過ぎるとすぐに滝があり、冬の時期は見事な氷瀑を目にすることができます。
渓谷コースでは多くの滝や小川がありますが、目にした中ではここが最大規模です。落差は大きくはないですがとても近くまで寄る事ができ、小さな2段の滝になっています。
続いて短い鎖場がありますので気をつけて登りましょう。
すると間もなく2枚岩があり、その上からは稲村ダム方面の展望が楽しめます。
2枚岩は次の分岐点までの中間付近にあたり、上面が広く平たいので休憩にもってこいです。
ここから緩やかな登りを20分ほど登れば、チェックポイントとなる4叉路に到着です。
ここは送電線ルート・稲村トンネルルートとの合流点かつ稲叢山山頂への道が伸びています。
4叉路には雪の積もったベンチと共に各コースへの看板が示されており、今回はここから山頂方向へ従って歩いてゆきます。
なお北東に位置する西門山への縦走をする場合はこちらからトンネル方面の看板に従って下っていきましょう。
あとは軽いアップダウンの気持ち良い尾根を渡り山頂へ向かっていきます。
この尾根は春にはツツジやシャクナゲが咲き誇り、稲叢山は花の百名山にも選定されています。
山頂へは残りわずかです。
稲叢山山頂へ
4叉路から気持ちの良い尾根を歩くこと20分程度で稲叢山山頂へ到着です。
山頂は一段高い岩の上にあり祠と2等三角点が設置されています。
山頂は特に西方面への展望は素晴らしく、越知町の横倉山、四国カルストは天狗の森・黒滝山などを見渡せます。
やや北へ視線を振ると木々の合間から石鎚山や寒風山・伊予富士などを眺めることができました。
稲村ダムから2.7km、休憩含め2時間弱での登頂でした。
それでは山頂からの写真をどうぞ。
下りは山頂の岩を反対側に下りるとダム湖への看板があり、山頂小路ルートへ入ります。
降り始めすぐ、右手の奥に木々の合間から岩の上に抜けることができ、こちらからは稲村ダムを含む南東の展望が得られますのでぜひ立ち寄っておきましょう。
この付近にも小さな山頂の看板が括り付けられていました。
山頂小路ルートは急勾配を下っていくことになりますが、雪が積もっているとクッションを利用して素早く降りることができます。むしろ無雪期では慎重に降りる必要があるでしょう。
ほとんど1本道でダム方面への看板に従いながら降りれば迷うことはありません。
30分ほどで渓谷ルートとの分岐した場所へ到着です。
あとは平坦な道を起点のダム湖まで歩きましょう。お疲れ様でした。
あとがたり
新日本百名山のひとつ稲叢山を冬に登りました。
とても登りやすく見どころも豊富で、登山初心者の方にもかなりおすすめできる山です。
冬は積雪ある山歩きが、春はツツジやシャクナゲなどの花咲く尾根、夏は涼しげな滝と渓谷、秋は周囲の紅葉と、季節によって様々な楽しみがあります。
今回は稲叢山のみお伝えしましたが、西門山への縦走も合わせると行動距離としてもそれなりになりますので、ぜひ一緒に登られることをお勧めします。
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それでは今回もご覧いただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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稲叢山周辺の四国百名山
同じ県道6号線よりアプローチできる山に陣ヶ森があります。
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