天狗塚〜三嶺 縦走【日本二百名山】

こんにちは四国グラフィです。

この記事では日本二百名山に数えられる三嶺について、天狗塚からの縦走コースで登山に必要な情報をお届けします。

※この記事の元になった登山は2022年10月です。
※ご自身の体力や環境に応じて無理のない登山計画を立てるようご検討ください。

記事概要

今回ご紹介するのは、

  • 天狗塚登山口 → 天狗塚 → 西熊山 → 三嶺

を歩いて三嶺登頂を目指す縦走コースです。

歩行距離 片道約7.9km
コースタイム 片道 約4時間30分

健脚ならば早朝発での日帰り往復も可能ですが、
本記事では三嶺ヒュッテにて1泊した記録を写真と共にお届けします。

天狗塚・西熊山・三嶺

天狗塚 (テングヅカ)
徳島県三好市
標高1812m
四国百名山・百山

西熊山 (ニシクマヤマ)
徳島県三好市/高知県香美市
標高1816m

三嶺(サンレイ)
徳島県三好市/高知県香美市
標高1893m
日本二百名山
四国百名山・百山

三嶺について

三嶺は徳島と高知の県境に位置する剣山系の山で、山頂は高知県最高峰です。
広くサンレイの愛称で呼ばれ、その山容は四国一美しいと云われています。

登山者に広く愛され、四国百名山のほか日本二百名山に数えられている四国を代表する名山です。

直登のほか剣山方面および天狗塚方面からの縦走でも歩かれており、こちらも四国を代表する縦走コースといえるでしょう。
山頂には無人小屋である三嶺ヒュッテが建てられています。

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縦走コース紹介

天狗塚登山口を起点にスタート、急登を登り切れば稜線へ出てそこが久保分岐
久保分岐より西に天狗塚から牛の背、東に西熊山から三嶺方面の稜線が伸びています。

天狗峠より西熊山の間の鞍部にはお亀岩避難小屋があり水場もあります。

西熊山から三嶺にかけては全編を通じて周囲が樹林に遮られることがなく、終始パノラマ眺望の縦走が楽しめます。
また天狗塚より三嶺にかけてのツツジ・ササ原は国の天然記念物に指定されています。

これがいちばん美味いとおもう

登山口情報

阿佐名頃林道沿いの天狗塚登山口を使用します。
付近に駐車可能ですが公衆トイレなどの設備はありません。

詳細は前述の天狗塚登山記事をご参照ください。

登山記録

それでは実際に縦走に挑んだ際の記録をお送りします。
夕暮れまでに三嶺へ到着することを目標に10時に登山口着で計画しました。

天狗塚登山口~久保分岐

天狗塚登山口から目指す稜線に乗るまでは、第1ピークを経由して胸突八丁の異名を持つ急登を越えてゆく2時間弱の道のりです。

登りはじめ50分ほどで丸太の横たわる第1ピーク
ここを越えるとしばし緩やかな下りののちに胸付八丁の急登です。

路面はややザレており、足元がササに覆われる登りです。
終盤は森林限界を越えて振り返れば矢筈山系の山並みを目にすることができます。

遠くに看板が見えたらそこが天狗塚~西熊山稜線上の久保分岐です。

天狗塚登山口からおよそ1時間50分ほど。

※天狗塚への詳細は関連記事にて

天狗塚へ

久保分岐で稜線に乗り、三嶺方面は東に進路を取りますが、時間的に余裕があれば西の天狗塚へも登頂しておきましょう。

久保分岐から看板越しに三角形の鋭い姿を見せているのが天狗塚です。

気分の良いササ原とツツジの茂みが並ぶ道を歩き、山頂手前の急な登りを10分程度で山頂です。

山頂には三角点はありませんが、石鎚山周辺まで見通せます。南に綱附森、東には目指す三嶺などの姿が。

久保分岐から片道15分程度で往来できますので、晴れており眺望の良い日はぜひ登頂しましょう。

なお天狗塚よりさらに西に進めばなだらかな稜線の先に牛の背に至り、こちらには3等三角点が存在します。
余裕があれば足を伸ばすのも良いでしょう。

天狗峠からお亀岩

久保分岐より進路を東側へ取ると程なくして天狗峠の分岐です。
看板が建てられ、西熊山・天狗塚・綱附森方面を示しています。

看板の三嶺方向へ進み、お亀岩を経由して西熊山へ進みましょう。
一部木立の間を抜けて降りていきます。
短いロープ場とガレ場があります。

降った先の鞍部でお亀岩を目にすると少し降った先に避難小屋が見えています。

こちらには水場もあります、必要ならば利用しましょう。
このコースで他に利用できる水場は三嶺頂上から20分ほど降った先にしかなく、利用しづらい場所になります。

ササ原の登りを越えると西熊山です。
この登りもなかなか急登です。

天狗峠から西熊山まで約1.5km、45分

西熊山から

西熊山標高1816m
山頂はなだらかでゆったりとスペースがあり、眺望にも恵まれています。

どちらから歩いてきても、進む先と来た道を見渡すことができるでしょう。

西熊山を通過して東へササ原の中を降っていくと、標高約1680m地点の大タオへ。

※タオとはコルや鞍部と同じ意味だそうです。

尾根の北側をトラバース気味に進んでゆけばラストの登りへさしかかります。

登った先は三嶺……ではなく、手前のピーク。

ここには通称三嶺大橋がササ原の中にぽつんとあり、フォトジェニックなスポットです。

ここを通過するとすぐ高知県側からの登山道との合流部を経て山頂へと向かいます。

西熊山から三嶺山頂へ約2.5km、70分です。

三嶺山頂

三嶺山頂からの景色は四国の山々をパノラマに眺めることのできる絶景です。

夜を明かす予定ならばこれまで歩いてきた方角に沈む夕陽を眺められます。

反対方向の剣山・次郎笈らの方角に現れる薄明も大変美しい。

山頂付近から夕刻に撮影した写真はこちら。

三嶺からの夕景

三嶺ヒュッテへ

十分に景色を楽しんだら三嶺ヒュッテへ。

山頂を通過して10分ほど、ササ原の真ん中の池を左に見て進むと無人小屋です。

三嶺ヒュッテは2階建ての綺麗な小屋で、離れた場所にトイレも設置されています。
しかし最近は水場で大腸菌が検出されているそうなので、あまり使用しない方が良いだろうとの話です。

目の前の池は飲用には適しておらず、水場はヒュッテ前の分岐を北に降った先になります。

ロープ場を下ることになるのでグローブと荷を下ろしたザックは持って向かいましょう。

今夜はここで夜を明かし、朝焼けを堪能してから往路を戻ります。

三嶺からの朝焼け

三嶺山頂 撮影のススメ

参考までにこの登山で用いた機材についてご紹介します。
荷物を減らしたいのも山々ですが、撮影したい写真によって必要な機材を忘れないように準備しましょう!

使用撮影機材

BODY : Canon EOS6D mark2
LENS : Canon EF24-70mm F2.8L ⅱ USM
FILTER:KANI filter CPL, Reverse Gradation ND 0.9

レンズを選ぶなら

三嶺登山で1本だけレンズを選ぶならば、
24−70mmなどの標準ズームレンズをお勧めします。

定番である山頂側からヒュッテ・池を移した構図を撮るに最適で、山頂から周囲の山を撮影するにも適しています。

遠くの山を大きく、または太陽を切り取りたい場合は70−200mmなどの望遠ズームレンズを選ぶのも良いでしょう。

あまり超広角の出番はないかと思いますが、星景を撮影する場合などは適したレンズも良いと思います。

レンズフィルター

霞みやすい山の景色はCPLフィルターの需要は高いです。
また朝焼け・夕焼けを撮影するには角形フィルターのReverse Gradation NDなどがあると良いでしょう。

当然、暗いうちの撮影では三脚を用いて撮影することになるでしょう。
ただでさえ重い1泊登山の荷物に三脚を持つのは悩みどころですが、じっくり検討してください。

付記:その他の縦走路

三嶺への登山道は徳島県側名頃・菅生登山口、高知県側の光石登山口などがあります。

起点に天狗塚登山口を用いると車をあらかじめ配置していない場合はバスなどで戻るのは困難です。
準備がない場合はピストンで起点に戻る計画が良いでしょう。

三嶺を目標とするその他の縦走コースとしては、剣山・次郎笈を起点とする長距離縦走や、香美白髪山からのコースなどが挙げられます。

今回紹介した天狗塚からのコースは、その中でもとても歩きやすく挑戦しやすい縦走路かと思います。

参考コースタイム

天狗塚登山口
 ~久保分岐(105分)
 ~天狗塚往復(40分)
 ~天狗峠(5分)
 ~お亀岩の鞍部(20分)
 ~西熊山山頂(25分)

西熊山山頂
 ~大タオ(20分)
 ~通称三嶺大橋(45分)
 ~三嶺山頂(10分)
 ~三嶺ヒュッテ(5分)

歩行時間
往路 4時間35分
帰路 3時間40分(天狗塚経由せず)
歩行距離 約16km(往復)
獲得標高 約1630m

あとがたり

天狗塚~三嶺の縦走をお届けしました。
大部分がササとツツジに囲まれた眺望の良い稜線渡りで、山頂で見た夕焼け・朝焼けは共に絶景に恵まれ、非常に思い出深い登山となりました。

三嶺を含めた剣山系の縦走は四国の人気コースのひとつ。
綺麗なヒュッテもあることから比較的宿泊登山にも挑みやすい山でもあると思います。

それなりに距離がありますので食料と水、防寒装備は充分に準備してくださいね。
読者の皆様が登られる日も夕焼け・朝焼けの絶景を堪能できるよう祈っております。

それでは今回もお読みいただきありがとうございました。

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ver1 2022.11.6.
ver1.1 2024.1.17.

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