三嶺 (名頃コース)【日本二百名山】
こんにちは四国グラフィです。
この記事では日本二百名山にも数えられる三嶺についてご紹介します。
※この記事の元になった登山は2021年12月です。
三嶺 概要
三嶺(みうね)
高知県香美市/徳島県三好市
標高1894m
四国百名山・百山、日本二百名山
三嶺(みうね)は徳島と高知の県境に位置する剣山系の山で高知県最高峰です。
登山者には広くサンレイと愛称で呼ばれており、むしろミウネと呼ばれる方が少ないでしょう。
名山揃いの剣山系の中でも四国一美しいと云われる山容で人気が高く、日本二百名山にも数えられています。
登山ルート
三嶺への登山ルートは複数ありいずれもよく使用されています。
もっとも易しいと思われるのは名頃登山口です。
今回は最も初心者向けでポピュラーな、徳島県三好市の名頃登山口より登ります。
名頃登山口
名頃登山口
名頃登山口には舗装された広い駐車場、トイレがあります。
トイレは冬季は使用できない模様です。
四国の登山では頻繁に使用する国道439号沿いにあります。
冬季は通行止めになりますが、それ以外の期間でも凍結や落石に注意しましょう。
その他の登山口
直登するならば他には徳島県側は菅生(すがおい)登山口。
高知県側からは光石登山口からいくつかのルートを選択することができます。
菅生登山口
光石登山口
また天狗塚や剣山、香美白髪山など他の山から縦走に挑む方も多く、様々なレベルで楽しむことができます。
剣山系縦走をする方は三嶺ヒュッテや避難小屋、テント泊で挑まれるようです。
三嶺山頂からのパノラマ展望は初登頂なら感動すること間違いなし。
天候の良い日を狙って挑戦していただきたいです。
ちょっと注意
多くの方が登られているといえど、三嶺はプチ遭難が多いことでも有名な山です。
名頃登山口から山頂を目指す場合でも10km程度とそれなりに歩行距離があり、天候も変わりやすいためしっかりと準備して臨みましょう!
初心者の方で三嶺に挑戦する場合は、登山靴、登山用活動着、トレッキングポールなどの準備をお勧めします。
冬山初挑戦での三嶺は個人的にはお勧めしません。
※剣山などは特別装備がなくともスニーカーで登っている方も見受けられますが、三嶺だと不安を覚えます。
必要な準備
この記事の元になっている登山は少し冷え込んだ12月上旬。
登山としては初冬のシーズンにあたるかと思います。
道路の凍結も怖いため、今回は無理せず昼前に山頂に着くことを目標に、8時登山口着で計画しました。
登山口より霜が降りており、山道も日陰は雪や氷柱が残っていましたが、しばらくは登山靴そのままで登れそうです。
この場合、霧氷や山頂で雪景色を楽しみたい場合は日の出と同時、山頂での寒さをできるだけ回避したい場合は気温が上がる時間に合わせて登頂する計画が良いでしょう。
冬場に寒波が来ていたり、日が当たらない天候・時間に登る場合は積雪を想定してアイゼンなどの準備が必要です。
軽く積もるくらいでも山頂手前には特に滑りやすい区間があります。
しっかりと積雪してしまっていると山頂直下のトラバース道は危険度が高く、ピッケルなどの滑落防止の装備や経験が必要になる場合があります。
当然トレースがなければラッセルすることになります。
名頃登山口〜三嶺コース
ざっくりルートについても把握しておきましょう。
名頃から三嶺山頂へは地図上は一本道のように見えますが、特に前半に林道整備や工事のために用いられている道もあり、油断しているとルートを外れますので注意を要します。
おおよそ西南西へ緩やかな登りを歩いてゆき、ダケモミの丘が時間的に中間地点。
その後右へ折れて尾根に乗り、樹林が切れてトラバースを歩き、山頂への急登を超えてゆく流れになります。
登りでおよそ3時間程度のコースです。
それでは簡単に登山記録をお届けします。
登山記録
それでは名頃登山口よりスタートです。
名頃登山口より
当時(2021年末)は登山道入口付近で工事があり、迂回路が示されていました。
序盤は落ち葉の敷かれた登りが続き、林の中を歩いてゆきます。
前述の通り登山者向け以外の道もありますので、ここに関しては赤テープを頼りすぎず登っていきましょう。
順調に登れば40分程度で三嶺林道に出ます。
林道に沿って少し歩けば、右手に山道に入りなおす階段があります。
少し看板が目立ちにくいので注意しておきましょう。
再び尾根の上を歩き、似たような風景の登りが続いていきます。
この辺りはシカの食害により周囲の植物が消失してしまっているため、踏み跡が不明瞭になっています。
登りは単調ですが自然林に囲まれた登山道はひたすら美しいもので、冬は植物を覆う霜が朝の日差しにキラキラと映って気持ちいい。
登山道途中の水溜まりも氷が張っていました。
さらに登ること1時間程度で、急登を越えたらダケモミの丘に到着です。
ここは時間的には大体の中間地点にあたります。
この登山道中にベンチなどはありませんので、適宜休憩をとりながら状態を整えましょう。
この後背の高い木々が切れて風が吹けば晒されますので、アウターを取り出しておくと良いです。
ダケモミの丘
しばらく心地よい尾根を進むと木々が切れ、南側の景色が見えるトラバースに入ります。
目に映るのは剣山周囲をはじめカヤハゲ、白髪山、平和丸などの顔ぶれです。
少し岩場がありますので足もとに気をつけて進みましょう。
ここでまだ霧氷が残っており出迎えてくれました。
正直、気温が上がりもう見れないかと思っていたのでとても感動しました。
溶け始めてぽたぽたと雫が垂れているのもこれまた風流。
水場への案内板が見えたら山頂へはあと少しです。
案内とは逆に右手に折れて登っていきますが、目の前の急なザレ場ではなく笹の間を抜けるように道がありますので、水場の看板に向かって右手を奥に入っていきます。
三嶺山頂へ
ラスト15分の急登を越え、三嶺ヒュッテ前および池に到着します。
池も一面に氷が張り、笹原もまだ冠雪しています。
なお三嶺ヒュッテ(無人小屋) にもトイレはありますが、近年は水場の汚染が問題になっているそうでなるべく使わないようにしましょう。
なおこの一帯の笹原とツツジは天然記念物に指定されているので、むやみに茂みに立ち入らないようにしてくださいね。
池前の看板に従いヒュッテと逆側左手に進路をとれば間もなく山頂に到着です。
歩行距離約4.5km、登頂まで3時間20分ほど。
山頂からの景色
真ん中右手奥に見えているのが剣山と次郎笈です。
ヒュッテで夜を明かし、夕日や朝日と共に迎えるこの風景は絶景でしょうね。
一方山頂より西側には天狗塚方向への稜線が遮るものなく眺められます。
こちらも素晴らしい景色。
あそこまで行ってみたいという気持ちになります。
※複数人での登山で車2台であらかじめ終点にも車を配置しておけば、三嶺~天狗塚登山口までの縦走は1日でできると思います。
下山は往路を戻ることになりますが、登りよりもルートを見失いやすいので、GPSを確認しながら降りましょう。
帰りは往路を戻ります。
遭難は下山時に多いと言われています。
圏外になるエリアもありますので最後まで油断せずに降りましょう。
参考コースタイム
名頃登山口
〜三嶺林道出合 (40分)
〜ダケモミの丘 (60分)
〜水場の看板 (65分)
〜三嶺山頂 (35分)
往路 約4.5km 3時間20分
下山まで 約9km 6時間45分
※終盤に撮影をしていた時間も含めています。
あとがたり
初冬の三嶺登山のレポートでした。
いかがでしたでしょうか?
迷うことがなければ、ゆっくり出発しても日没までに余裕を持って降りて来れるでしょう。
四国百名山も有名どころはほとんど登りましたが、やはりこの三嶺は随一美しいと納得しました。
序盤こそ風景が変わらず退屈だと評されることもありますが、天然の静かな道の中を一歩一歩進む感覚が存分に味わえます。
迷いやすい原因はシカの食害による植物の消失で踏み跡が分かりにくくなっているのが大きいですが、それを目の当たりにすると環境保全の重要さが身に染みてわかります。
実際に剣山地での登山はよくシカに遭遇します。野生動物は大変美しいのですが考えちゃいますね。
それ以上に、山に入る際には人間が自然を破壊しないように更に気をつける必要があると感じました。
皆様が登られる際も素晴らしい景色に出会えますように。
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それでは次の山でお会いしましょう。
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