奥工石山【高知/四国百名山】

こんにちはしこぐらBLOGです。

この記事では高知県大豊町の奥工石山 (立川工石山) について、登山に必要な情報を写真と共にお届けします。

※この記事の元になった登山は2024年6月です。

奥工石山
概要と見所

佐々連尾山・大森山登山道から

奥工石山(おくくいしやま)
標高1515.9m
高知県大豊町
四国百名山・百山

奥工石山(立川工石山) は高知県大豊町にある山です。
高知県中央北部に位置し、県境近くにあります。

工石山の名がつく山は高知市にもあり、県民の森とされていますが、これと区別するために奥工石山・立川工石山と呼ばれることが多いです。

山頂付近の看板には立川工石山と記載あり。
国土地理院では単に工石山と記載されています。

紅簾石珪質片岩露頭地

山頂直下には地質学的に貴重な鉱石である紅簾石の大きな岩石があります。

こちらは高知県天然記念物に指定されています。

山頂直下でこの岩の下を歩くことになり、実物を間近で見学することができます。

山名の由来

工石山の名前の由来ですが、これも平家伝説に由来する説があるようです。

落武者が飢えた末に「この石が喰えたならば」と嘆いたことから喰石山と呼ばれ、それが現在の工石山の由来となったとする説があります。

立川工石山立川(たじがわ) については、立川川沿いの林道を走り登山口(本記事とは異なる北登山口)に至るからでしょうか。

なお、本山町のウェブサイトでは竜王山との紹介もあります。

悪路の林道

奥工石山奥白髪山とあわせて、もはや特徴のひとつといっても良いのではないかという登山口までの悪路が有名です。

後述しますが、主に用いられる2つの登山口いずれも未舗装の林道を走行する必要があり、曰く「ジムニーでも底を擦る」などと逸話が尽きません。

一般の車でたどり着けない訳ではありませんが、少なくとも車高の低い車で行くのは避けたほうが良いでしょう。

奥工石山
登山口とアクセス

奥工石山への登山口は主に2箇所です。

  • 奥工石山登山口 (林道竜王線)
  • 奥工石山北登山口・工石山荘そば (林道仁尾ヶ内線)

①汗見川沿いを南北に走る県道264号線より林道竜王線を東に走る

②県道5号線の立川地区より立川川沿いに林道仁尾ヶ内線を西へ走る

どちらも悪路の走行がありますが、距離も短くまだマシなのは①の林道竜王線でしょう。

本記事では①の奥工石山登山口より登山の記録をお届けします。

林道竜王線

林道竜王線に関してはGoogle Mapで道が表示されませんので、国土地理院のマップなどで確認しましょう。
過去に長期間の通行止めもあった道ですので市町村ウェブサイトでも確認を推奨です。

奥工石山登山口
Google Map

Google Mapだと経路が正確に出ません(2024年時点)

登山マップ

奥工石山の登山道はくの字に曲がった大部分が自然林の道となります。

ブナ、カエデ、モミジ、ツガ、ミズメ、ヒメシャラなど豊かな天然林です。

大岩の下を左に巻いて進み、標高1300m地点付近で右手へ大きく切り返します。
古くはここから北へ1498mピークを目指し歩かれていたようですが、現在は廃路気味になっているそうです。

その後はブナの大木が散見される森林の中を歩き、山頂尾根直下まで苔生した岩場を進みます。

山頂直下からは、慣れている方でなければ案内の看板通りに左手に巻いて尾根に乗るのが歩きやすいでしょう。

途中で地質学的に希少価値のある紅簾石片岩の露岩を目にすることができます。

参考コースタイム

(往路)
奥工石山登山口
〜 標高1200m 巨岩の下を左へ巻く (20min)
〜 標高1300m 切り返し地点 (20min)
〜 山頂直下分岐 (40min)
〜 一等三角点 山頂 (15min)
〜ゆるぎ岩 山頂 (5min)

登頂まで約 1時間40分

(参考記録)
活動時間 3時間13分
歩行距離 4.1km
獲得標高 518m

登山記録

それでは実際に林道竜王線の奥工石山登山口から登った記録をお届けします。

季節は6月上旬、梅雨の合間の天候は晴れです。

奥工石山登山口より

序盤は植林の道を登ってゆきます。
すぐに天然林に覆われてゆき、道中さまざまな植生を看板で紹介してくれています。

序盤はまっすぐ登りの道を進んでゆきますが、途中の大岩に出会うとその下を巻く形で左へ進路をとりましょう。

赤テープや進路を示す看板がありますが、筆者の印象では道を取り間違えやすい山だと思いますのでこまめに確認しながらゆきましょう。

大岩の下を左へ

左矢印の看板とともに大岩を目にしたら、その下を通って左手へ迂回します。

赤テープを追いながら登り、オオモミジイタヤカエデサワグルミなどの木に看板がかけられているのを目にしたら今度は右への切り返しです。

右へ切り返すとしばらくは傾斜が穏やかな区間となります。

リョウブタンナサワフタギなどに木漏れ日がさす森が大変美しいです。

特に平坦な草原に立つブナの大樹は見所で、登山道であることを忘れます。

ブナなどの天然林

奥工石山は本当に山頂も登山道も美しいです。

若干左によれながら赤テープを追って先へ進みます。

ブナの巨木のエリアを越えたあたりで、またもや左矢印の看板です。

左へ少し歩いたら赤テープとともにロープが張られていますのでこれを探しましょう。

この辺りは、古くは北西の1498mピークへの道も歩かれていたようで、進路らしき場所が複数見受けられます。

正しいコースを進んでいる限りはかなり穏やかに歩けます。

苔の岩場から山頂へ

赤テープに従い、苔生した岩を辿って進んでいき、山頂の尾根直下へと到達します。

こんな区間が登山コース中にあるのは珍しいと思います。
新緑の季節でもあり、とても美しいです。

湿っていると危険な区間かもしれません。

最後の山頂矢印の看板があるのが山頂直下分岐です。

ここは反対方向の右へ進んでゆるぎ岩付近へ出ることもできる場所です。
そちらは通行者はいるものの、一時通行止めになっていたためか道が不明瞭だったりします。

登りでは看板の示す左方向へ進むのをお勧めします。

しばらく進んで尾根へと乗り切り返せば、山頂まではあっという間です。

紅廉石珪質片岩の露頭地

途中では、貴重な鉱質である紅廉石珪質片岩の露頭地があります。
日本最大級、世界でも屈指の露頭地だそうです。

発見されたのは平成21年と記載があり割と最近のことのようです。
それまではススタケにより近づき難い場所だったとのことで、この道もその時期に整備されたものと思われます。

奥工石山山頂

奥工石山山頂には一等三角点があります。

林木に遮られ眺望は限られていますが、奥白髪山や高知市の工石山などを眺めることができました。

奥工石山は眺望に優れたゆるぎ岩上の白川神社がありますのでそちらを楽しみにしておきましょう。

ゆるぎ岩からの眺望

奥工石山の必見スポット、ゆるぎ岩までは山頂からは尾根伝いに5分〜10分程度です。

尾根にはホンシャクナゲなどがみられます。

ゆるぎ岩奥工石山の山頂部から南東へ迫り出した位置にある大岩。
今回用いてない方の北登山口でもある白山神社の祠があり、その上からはほぼパノラマの眺望が得られます。

なお「立川工石山」の山頂看板もこちらに立っています。
山頂よりも山頂らしいかもしれません。

石鎚系・剣山系の間に立ち、目の前にはゆったりとした構えの奥白髪山

迫り出した岩の上ですので十分注意して、眺望を楽しみましょう。

Photography
Movie

あとがたり

一等三角点ゆるぎ岩からの絶景のみならず登山道中も大変美しい奥工石山でした。

アクセスの難しさもあるものの、その美しさから多くの方がこの山に登られています。

そのままの自然林や希少な鉱質が残る山であり、自然保護の観点から登山道以外への立ち入りは避けるように配慮をお願いいたします。

それではまた違う山でお会いしましょう。

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