豊受山・鋸山【四国百名山/愛媛】

こんにちは四国グラフィです。
この記事では愛媛県四国中央市豊受山についてお届けします。

東に位置する鋸山からの縦走で登っていますので、鋸山・七々木山へ登られる方も参照して頂ければ幸いです。

※この記事の元になった登山は2023年4月上旬です。

豊受山 概要

豊受山(とようけやま)
標高1247m
愛媛県四国中央市
四国百名山

豊受山について

法皇山脈東部、日本二百名山として有名な赤星山の東に連なるのが豊受山です。

山頂に位置する豊受神社では、この一帯に発生する局地風を鎮める神事が行われ、地元ではおといこさんと呼ばれ親しまれています。

山頂 豊受神社拝殿

林道法皇線の新登山口より1時間半程度で登頂できるほか、東の鋸山、西の赤星山からの縦走でもよく歩かれています。

一帯の山域は特に春には様々な植物・花を楽しめることで知られ、豊受山も山頂周囲の尾根にシャクナゲツツジが立ち並んでいます。

豊受神社とやまじ風

日本三大局地風 やまじ風

宇摩(現在の四国中央市や新居浜市)に吹く南からの強風はやまじ風と呼ばれます。

この山域は石鎚系と剣系の間に挟まれるため、日本海側に低気圧が通過する際、高知県側からの風がこの法皇山脈の鞍部を通過して強く吹き下ろすことで起こります。

有名なフェーン現象の原理であり、やまじ風が発生すると新居浜市の気温は顕著に上昇するといわれます。

台風のような被害を引き起こす天災として知られ、2007年にも電柱が倒壊し農作物にも甚大な被害が発生するなど、現代でもその影響は発生しています。

なお日本三大局地風のひとつとして山形県の清川だし、岡山県の広戸風と共に名を連ねています。

豊受神社について

白鳳元年(676) 天武天皇が伊予国に下られた際に豊受姫大神豊受山(豊岡山) に奉斎したといわれています。

現在の豊受神社は豊受山頂直下に位置しています。
社殿は20年ごとに式年遷宮が行われており、これは伊勢に倣ってのことだとか。

境内の端にある祠そばの石洞は風穴と呼ばれ、ここからやまじ風が発生すると伝承されています。

風穴と祠

現代でも7月と9月の年2回風鎮の神事が行われており、この風穴祭りは四国中央市の指定無形民俗文化財として指定されています。

登山口情報

豊受山登山では以下の起点が考えられます。

  1. 豊受山新登山口
  2. 鋸山登山口 (縦走)
  3. 赤星山登山口 (縦走・遠路)

豊受山新登山口は、四国中央市より翠波高原の花園公園を過ぎて林道法皇線沿いにあります。

またそこへ至る前に鋸山登山口があり、そちらから縦走で目指すことも可能です。

GoogleMap

鋸山登山口

豊受山新登山口

登山口へのアプローチ

高速道路ならば伊予三島ICが最寄り。
四国中央市街より法皇トンネルを抜けて翠波高原を目指し、通過したら北峰展望所の分岐より林道法皇線に入ります。

10分ほど走れば鋸山登山口
さらに10分ほどで豊受山新登山口です。

今回は鋸山登山口より豊受山まで登っています。

登山コース紹介

鋸山から豊受山にかけての登山道はわかりやすく、ほぼ一本道です。
スギの植林地でも進路が赤テープで示され、概ね迷うことはないでしょう。

コースマップ

特に難所という難所はありませんが、一部ロープが張られている急な登りは登場します。

登山記録

鋸山登山口より

登山口の周囲に数台、手前の路側帯に数台の駐車可能です。
鋸山の看板より少し登って行った先にもスペースがありますが、一部轍が削れたダートになっていますので車種によっては注意です。

鋸山の看板あり
手前の路側帯にスペース

鋸山登山口へ

看板に従い歩いてゆきます。
まずは寒川山登山口の看板があります。

寒川山には4等三角点があり、15分もあれば到着する山頂です。
余裕があれば帰りにでも寄って帰りましょう。

寒川山の看板

続けて道を歩くと再度看板にて鋸山登山口が示されています。
右手へ入るとすぐに登山道が始まります。

鋸山登山口は右手です

鋸山へ

それでは鋸山を登ってゆきます。

最初は抉れたU字型の道、途中からは崩れた箇所を迂回する形で右手の小尾根を歩きます。

鋸山までの登りはひといき、登山口の看板より30分程度で山頂の看板を目にします。

鋸山は標高1017m
小さいケルンが積まれており足元に3等三角点があります。

鋸山の大岩


山頂は小さく開けているのみですが、少し進んだ先に眺望の良い大岩があります。

ツツジなどの花が咲いているほか、北方面の四国中央市と瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ) を見下ろすことができます。

また早春では1本のヤマザクラが咲き誇っているのが見えるでしょう。

こちらで少し休憩したら続いてカタクリの群生地が見どころの七々木山を目指します。

七々木山へ

続いて尾根を伝って七々木山を目指していきます。

降り始めで早々に数輪カタクリを目にします。
葉を踏まないように注意しましょう。

ツツジやミヤマシキミの花などを目にしつつ、スギの植林地へ入ります。

これを抜けるとロープが張られた急登です。
登り切ったら山頂に右手から回り込むと眺望が開けています。

足元には七々木山(1145m) の看板と4等三角点

前後に優れた眺望があり、来た方を眺めれば鋸山と翠波峰。
進行方向には豊受・赤星山、その向こうに二ツ岳にエビラ山が見えています。
南側には高知県方面の山々が眺められます。

動画:七々木山山頂より
カタクリの花と群生地

七々木山山頂より少し進んだ先にカタクリの群生地があります。

カタクリはユリ科カタクリ属の多年草。
美しい薄紫で俯いて咲く印象的な花が人気を博しています。

西日本では比較的珍しく、株数も減少傾向にあるため絶滅危惧とされている地域も多いそうです。
四国では4月中旬より5月初頭までが見頃といわれています。

下向きに咲く理由は降霜への対策など諸説あります。

花言葉の寂しさに耐える初恋というのもその姿から容易に連想できますね。

豊受神社へ

七々木山を過ぎたら豊受山へ進みましょう。

カタクリの群生地を過ぎて緩やかな尾根を歩いてゆき、1154m小ピーク手前で色褪せたトラロープが張られた急登を迎えます。

前方に豊受山山頂部を見ながら下りスギの植林地に入ると、新豊受山登山口からの合流部を通過します。

往きは良いですが、帰りは左の道へ進んでしまいそうな場所で、鋸山方面を示す看板が置かれています。

右の画像で右奥に鋸山方面の看板が置かれており、左降り気味の道は林道法皇線方面へと続いています。

間もなく豊受山の鳥居が見えてきます。

鳥居の奥の祠、吊られた銅羅を見て進むと最後の急登へ差し掛かります。

登り終えた先が豊受神社です。

豊受神社と風穴

簡素ながら2つの新しい社殿が建てられており、奥には風穴の祠が祀られています。

簡素ですが座れる場所があります。

風穴より先へは道はないです。
到着してすぐ左手に見えているロープを掴んで尾根に乗りましょう。

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豊受山山頂

尾根に乗ると豊受山山頂部はもうすぐです。

花の咲く細い尾根を通ると赤星山への分岐がありますが、右手へまっすぐ進みます。

赤星山の分岐

まもなく到着する最高地点には特に目標はありません。

少し北へ進んだ先に山頂の標と3等三角点が設置されています。

周囲にはシャクナゲやアケボノツツジ、ヒカゲツツジなどが生えています。
さらに少し降った先には展望が得られる岩場があります。

帰りは往路を戻ります。
お疲れ様でした。

参考コースタイム

(往路)
鋸山登山口
 ~鋸山山頂(30分)
 ~七々木山山頂(45分)
 ~豊受神社(60分)
 ~豊受山山頂(15分)

往路
歩行距離4.4km
活動時間2時間30分

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あとがたり

鋸山は登山口より30-40分で登頂できる手軽に登れる地元の方々に人気の山です。

春のカタクリの時期は特に登山者が多く、GW頃にピークを迎えます。

豊受山をはじめ法皇山脈の周辺の山々も4ー5月にかけて様々な花が見頃となりますので、旬のシーズンにぜひチェックしてみてくださいね。

それでは今回もお読みいただきありがとうございました。

また次の山でお会いしましょう。

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花に恵まれた風鎮の儀式の山、豊受山でした

お花を撮るならマクロレンズ推奨
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