楢原山【四国百名山】

こんにちは四国グラフィです。
本日は愛媛県の四国百名山、楢原山(ならばらさん)についてお届けします。

※この記事の元になった登山は2022年2月です。

楢原山について

標高1041m
愛媛県今治市
四国百名山

楢原山(ならばらさん)は愛媛県で高縄山系に属する山で、かつては山岳信仰で栄えた密やかな名山です。
一帯は奥道後玉川県立自然公園に指定されており、鈍川(にぶかわ)渓谷源流に位置します。

山頂には農民信仰の奈良原神社を頂き、山頂付近は神域として厚く祀られています。

東西に四国のみちとして登山道が整備されており、山頂神社をはじめ複数の祠や天然杉の巨木など見どころが満載です。

それではご紹介していきましょう。

頂上 奈良原神社

ルートとアクセス

楢原山への登山道は一般的に2通りあります。

ここでは西側からを蒼社川コース、東側からを木地川コースとして説明します。

①蒼社川コース(西)

楢原山登山口(蒼社川)

https://goo.gl/maps/ybSYRsW7ZM8f5h3VA

国道317号線から水ヶ峠付近を起点とし、蒼社川沿いの登山口より東へ歩くコースです。

水ヶ峠トンネルの今治側手前すぐを東へ曲がると楢原山への標識があり、2.9kmほど林道を進むと登山口です。
登山口の手前すぐに鳥居があり、2台程度の駐車スペースがあります。

駐車可能スペースの鳥居

林道は舗装されていますが荒れており、車両によってはトンネル手前のスペースで駐車して登山口まで歩くと良いでしょう。
登山口までに木漏れ日の滝北三方ヶ森登山口を目にします。

水ヶ峠トンネル駐車場
https://goo.gl/maps/xrRXCZyasxkt1Eew9

②木地川コース(東)

国道317号線のより北側で鈍川温泉方面へ入り、木地川沿いに上流へ走って上木地地域に登山口があります。

林道は同じく荒れており、明らかな駐車スペースはなく周辺で路肩を探すことになります。

序盤の急登を越えて尾根に乗り、所要時間は山頂まで約100分程度です。

上木地登山口
https://goo.gl/maps/KoYRYHLd3UPDW9bU7

なおこの上木地の登山口よりも手前、楢原山から北の位置にも楢原山登山口の看板があり、ここからは頂上付近まで舗装された車道(湯ノ谷林道)が繋がっており、ここを歩くこともできます。

奈良原神社参道入口鳥居の手前に出るので、ここまで車で来れば20分程度で山頂です。

※山頂付近は厳冬期だとかなり積雪しており自動車での走行も大変そうでした。

楢原山登山口(湯ノ谷林道)
https://goo.gl/maps/tzMQFuYQrQrxfq2A8

蒼社川コース

今回は西側の蒼社川沿いにある登山口より楢原山山頂を目指しました。
途中に分岐はなくほぼ一本道で、よく整備されています。

YAMAP地図

登山道入口より木漏れ日の橋を渡り山道へ入り、序盤の急登を越えて三角点のある783mのピークへ。

尾根を渡って標高924m付近で林道と出合い奈良原神社の参道鳥居へ到着します。
その後参道の急登を登り山頂広場を目指すシンプルなコースです。

山頂まで歩行距離は2.6kmほどですが、序盤のいきなりの急登で歩きごたえを感じます。

冬場は山頂付近にも積雪があり、スノーハイクを楽しめます。
特に難所はありませんが冬場はチェーンスパイクは持参しましょう。
山頂付近は予想以上に積雪がありますのでロングゲイターも必須です。

登山開始

登山口手前の鳥居脇に駐車し、数分で登山口へ到着です。
看板で入口が示されており楢原山まで2.6kmの文字が記されています。

目の前に流れる蒼社川にかかる木漏れ日の橋を渡ると登りが始まります。
この橋も人気のない場所にかかる神秘的な雰囲気がありますが、落石によるものか一部崩れていました。

登山道は整備され終始明瞭ですが落ち葉が多く滑らないよう注意が必要です。

木の階段が組まれる道を200mほど登っていくと急登が始まり、薄く積雪した道を踏みしめて30分ほど登ると小ピークへ到達です。
進行方向右手に783.3mの4等三角点があります。

歩行距離はおおよそ1km程度ですが、ここまでが一番体力を使います。

ここで急登はひと段落し以降は穏やかな登りを繰り返して奈良原神社を目指します。

しばらくは道端の石仏が見守ってくれる尾根渡です。

さらに20分程度で再び登りを迎え、若干のトラバースを越えて歩くと標高920m付近で稜線に出て林道に出合います。

鳥居をくぐって山頂までの登る参道に臨みます。

奈良原神社

深く雪の積もった林道に出て右手へ進むと蓮華寺跡の石碑があり、ここはかつて山岳修行の舞台として栄えていた鎌倉時代以降に栄えていた寺の名残です。

間もなく奈良原神社を示す石標と共に大きなステンレスの鳥居が見え、手前には駐車可能なスペースがあります。

鳥居をくぐってからの参道もなかなかの登りですが、これを30分ほど登れば上木地コースとの合流地点があり、県指定天然記念物の子持ち杉(2代目)が姿を表すと間もなく山頂に到達です。
山頂付近はブナを中心とした天然林で、かつては参道に沿って杉が立ち並んでいたと云われています。

登山口より100分程度、歩行距離2.6kmでの登頂です。

山頂は奈良原神社が祀られており、少し開けた広場はブナやスギに囲まれていますが部分的に展望があり、石製のイスとテーブルも設置されています。三角点はありません。

山頂手前の境内にはそれぞれ馬・牛を司る壬生川上神社水分(みくまり)神社の祠などがあります。

南北朝時代に北朝側に追われた長慶天皇が牛馬に跨り入山したとの伝説より、奈良原神社は牛馬の守護神として崇拝されています。

本社に向かい左手には経塚発掘跡が残されており、これは国宝指定されている『伊予国奈良原山経塚出土品』(※) が発見された場所です。

※昭和9年、雨乞い祈祷の準備をしていた際に偶然発見された考古資料。平安時代末期の銅宝塔をはじめ、銅鏡、白青磁の壺、古銭などが発見され、今治市玉川現代美術館にて期間限定で公開されている。

一息ついたら今回は南方向に尾根を渡り、古権現山まで足を伸ばします。

古権現山へ

古権現山(ふるごんげんやま)は、現在楢原山山頂にある奈良原神社が元々『奈良原権現』として鎮座していた場所だとされています。

かつての修験の道としては、西条市の興隆寺から東三方ヶ森、中三方ヶ森を経て古権現山と奈良原山へ至る道が存在していたそうです。

奈良原山から古権現山へは30分ほどで到達でき、距離にして1.1km程度です。

鞍部へ降りる際は100m程度の高低差があり、楢原山登山と合わせればまずまずのボリュームで歩けるでしょう。

この2月の寒い日は、尾根は終始積雪しており登山者は少ないのか野生動物の足跡以外トレースはありませんでした。

楢原山の経塚跡の裏手から尾根に入り高度を一気に下げていきます。

まばらですが赤テープを追ってカーブした尾根を歩くこと20分で山頂手前の急登を迎え、登り切った先が古権現山の山頂です。

山頂は小さな看板で示され、1003.4mの三角点があります。

冬ならば木々の間から先程までいた楢原山が見えるでしょう。

帰りは往路を戻り、登山口へと戻ります。

お疲れ様でした。

あとがたり

楢原山および古権現山への冬季登山をお届けしました。
歩行距離は7.4km、行動時間は4時間6分。
合計アップダウンは875m
でした。

四国内でもさほど有名ではありませんが、神秘的な山道にはじまり、山頂付近の神域とその歴史の重みを感じられる名山だと思います。

松山や今治よりアクセスもよく、雪山歩きを手軽に楽しむことも可能で、もっと知られれば良いと思う素敵な山でした。

四国で霊山といえばなんといっても石鎚山ですが、この楢原山を含め高縄山系も歴とした霊山であり御神体です。
登られる際は自然物を大事に、環境に配慮した山歩きを心がけてくださいね。

それではここまでお読みいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

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