寒霞渓・星ヶ城山【四国百名山】

こんにちは、しこぐらブログの四国グラフィです。

この記事では香川県小豆島寒霞渓・星ヶ城山について、登山に必要な情報を写真と共にお届けしています。

※この記事の元になった登山は2021年11月上旬および2022年10月下旬です。

寒霞渓・星ヶ城山 概要

三笠山(みかさやま)
標高671m
星ヶ城山(ほしがじょうさん)
標高817m

寒霞渓・星ヶ城山として
四国百名山・百山
しま山100選

寒霞渓について

瀬戸内海国立公園の代表的観光地として名を馳せるのが寒霞渓(かんかけい) です。
瀬戸内海の小豆島にありて日本三大渓谷美のひとつとして賞されています。

三笠山(みかさやま)と四方指(しほうざし) の間にある渓谷であり、太古の火山活動と地殻変動・風雨による侵食により永い時間をかけて奇岩の並ぶ風景を成しています。

遊歩道より眺める奇岩は寒霞渓十二景および裏八景として名付けられています。

歴史と由来

寒霞渓は古く日本書紀にも登場しています。

古墳文化時代応神天皇がこの山の岩やモミジに鉤をかけて登られたことから神懸山(かみかけやま) などと呼ばれていたそうです。
その後19世紀に儒学者の藤澤南岳によって寒霞渓と命名されました。

明治時代より皇族がたびたびこの地を訪れており、昭和9年(1934) に第1号国立公園として寒霞渓を中心に瀬戸内海国立公園が指定されました。

昭和中期には寒霞渓ロープウェイドライブウェイが開通。
以来、寒霞渓から瀬戸内海を望む景色を求めてより多くの人がこの地へ訪れています。

星ヶ城山について

寒霞渓登山道(遊歩道) を登った先にあるのは三笠山、その東に位置し小豆島最高峰であるのが星ヶ城山(ほしがじょうさん) です。

星ヶ城山の標高は816.7m、これは瀬戸内海の島々の中でも最高地点となります。

かつて南北朝時代に佐々木信胤(のぶたね) が天然の要塞として戦術の要所であるこの地に拠点を構えたその名が星ヶ城です。

香川県指定史跡でもあり、現在もその数々の名残をみることができます。
山頂には小豆島唯一の1等三角点があります。

寒霞渓・星ヶ城山 登山道

寒霞渓・星ヶ城山を登山として楽しむ場合、
麓のロープウェイ駅がある紅雲亭付近より遊歩道を歩くのがおすすめです。

寒霞渓二十景と呼ばれる奇岩を望むポイントが表十二景・裏八景に分かれ2本の登山道に点在しています。

共に山頂駅から登山口まで1時間程度の舗装路です。

コースマップ

登山コース紹介

今回はロープウェイ紅雲亭駅を登山口として、
表十二景を観ながら登り、三笠山山頂から東の星ヶ城山へ。
三笠山に戻って下山は裏八景の道で下山しています。

裏八景の道では途中に小豆島霊場・18番札所である石門洞を経て猪谷登山口へ。

寒霞渓へのアクセス

小豆島へは基本的にフェリーか高速艇を用いて高松港より渡ることになります。
フェリーが到着する港は複数あり、計画に応じて便を選びましょう。

①自動車あり

自動車があれば小豆島を快適に散策できます。
どちらの港に降りても移動は容易なので、上陸後小豆島草壁港へ向かい県道29号を北上し道なりでロープウェイ紅雲亭駅へ到着できます。

ほか山頂ロープウェイ駅まで県道が繋がっていますので、プランによっては短縮することも可能です。
また星ヶ城山のピークハントの場合はドライブウェイ沿いから西峰・東峰の中間まで10分で歩ける駐車場もあります。

②自動車なし

自動車を用いない場合は、高速艇で草壁港へ。

海抜0mから歩ききれないこともないですが、結構な長距離です。
バスやタクシーを用いることも検討しましょう。

バスは運行していない日もあるので事前チェック必須です。
なお小豆島にはレンタカー店も豊富にあります。

草壁港に到着すると近くにはコンビニがないため、高松で準備を整えておきましょう。
島西部の港付近にはコンビニやスーパーが点在しています。

登山口情報【紅雲亭】

ロープウェイ駅には無料駐車場綺麗なトイレがあり、登山口としては恵まれています。

さっそく第一景および第二景を目にするスポットでもあります。

20−30台駐車可能です

Google Map

ロープウェイ情報

運行は春~秋にかけては8:30~17:00、まれに運休日があります。

料金は片道大人1050円、小児530円で往復割引などあります。

寒霞渓ロープウェイ
https://www.kankakei.co.jp/ropeway/

最終便で降れば、日没ギリギリまで三笠山からの夕景を楽しむこともできます。

万一の場合も考慮してお金は持って登りましょう。
またロープウェイでしか味わえない渓谷美もあります。

寒霞渓二十景

名称一覧

表十二景 名称一覧

裏八景 名称一覧

第一景通天窓ツウテンソウ
第二景紅雲亭コウウンテイ
第三景錦屏風キンビョウブ
第四景老杉洞ロウサンドウ
第五景蟾蜍岩センジョガン
第六景玉筍峰ギョクジュンポウ
第七景画帖石ガチョウセキ
第八景層雲壇ソウウンダン
第九景荷葉岳カヨウガク
第十景烏帽子岩エボシイワ
第十一景女羅壁ジョラヘキ
第十二景四望頂シボウチョウ
裏一景鹿岩シカイワ
裏二景松茸岩マツタケイワ
裏三景石門セキモン
裏四景大師洞タイシドウ
裏五景幟岳ノボリダケ
裏六景大亀岩タイキイワ
裏七景二見岩フタミイワ
裏八景螺貝岩ホラガイイワ
表十二景
裏八景

二十景のうちには枝木が伸びて見えづらいものも多いです。
葉が落ちた冬も鑑賞しやすくて良いかもしれません。

登山記録

それでは紅雲亭より三笠山・星ヶ城山へ。
寒霞渓二十景周回コースで歩いた記録をお届けします。

表十二景の道

ロープウェイ駅の奥すぐ、紅雲亭の東家より登山道へ入ります。

全体を通じてコンクリートで舗装された緩やかな登りの道を、看板に示された奇岩を眺めながら歩いてゆきます。
道ははっきりしていますが落ち葉や石で少しザレついています。

11月の初旬だとまだ登山口付近は紅葉していないようですが、山頂に近づくにつれて少しづつ鮮やかな木々が増えていきました。

歩き始めるとまもなく、第三景の看板を目にします。

錦屏風から画帖石

さっそく第三景の錦屏風
看板の位置から見上げると、まさに屏風のように横に広がり並んだ岩壁が。

このように振り返り見上げて奇岩を探しながら1時間弱の散歩道です。

続く第四景の老杉洞は少しわかりにくく、遊歩道から左手に少し逸れたところの正岡子規の歌碑に向かって左前方にあります。

右写真の中央、岩壁の中央が洞窟になっているのが老杉洞です。
この辺りはニホンザルが生息しているそうで、運が良ければ見られるかもしれません。

蟾蜍岩玉筍峰画帖石と目にしていくとおよそ表十二景の道の半ばほどです。

画帖石のみ登山道目の前にどんと登場します。
その名の通りスケッチブックのような見た目だからとか。

第十二景四望頂まで残り半分ほど、続けて進んでいきましょう。

層雲壇から四望頂

第八景層雲壇の看板の向かいには東屋があります。
四望頂に至るまでは唯一の休憩所です。

荷葉岳女羅壁を越えて最後の登りです。
なお第十景の烏帽子岩は登りきった四望頂より綺麗に眺めることができます。

尾根道に乗る手前は一部急な傾斜があり鎖が張られていますが、難なく進めるでしょう。
一応迂回路も設定されています。

登り切ると展望所である第十二景四望頂です。

渓谷に加え海と空、瀬戸内海越しに四国の姿を眺めることができる最も景観の良い場所のひとつ。

紅雲亭より四望頂までゆっくり歩いて50分ほどです。

四望頂からの景色

続いてはドライブウェイ沿いの遊歩道を東に進んでいくとロープウェイ山頂駅並びに三笠山山頂方面です。

三笠山へ

四望頂から車道沿いの遊歩道を東方面へ向かいます。

一本南の迂回路では鷹取展望所もありますので寄ってみるのもよいでしょう。
応神天皇が鷹狩をしたことが名の由来だそうです。

ロープウェイ山頂駅

10分も歩けばロープウェイ山頂駅です。
付近は駐車場を含めて広い公園となっています。

第一・第二展望所にカフェや土産物屋、通称一億円トイレと充実しており、晴れた日は人で賑わっているはずです。

第二展望所付近には東屋にセルフィースタンドのある撮影所、瓦投げスポットなど見所満載。
第一展望所はロープウェイ駅の前を通過して奥にあります。

三笠山山頂はロープウェイ乗り場の反対方面。
阿豆枳島神社(あずきじまじんじゃ)の鳥居をくぐって進んでいきます。

阿豆枳島神社

小豆島の神である祖大野手比売(おおぬでひめ) を祀るのが阿豆枳島神社です。

鳥居をくぐって参道を進むとすぐ、右手の石段を登った先に拝殿・遥拝場があります。

星ヶ城山の山頂東峰・西峰にそれぞれ阿豆枳島神社として祭神が祀られていますが、その拝殿はここ三笠山の山頂直下に存在しています。

島の平和や繁栄を願う例大祭が毎年9月にこの拝殿と星ヶ城山頂で行われているそうです。

ちなみにかつて小豆島も「あずきじま」と呼ばれていたそうです。
現在の「しょうどしま」の呼称となったのは鎌倉時代とのこと。

写真3枚目の拝殿奥より、参道石段を直進した道に合流することができます。
道なりに進んで山頂へと向かいます。

三笠山山頂

阿豆枳島神社拝殿を通過し、広葉樹に囲まれた芝生の広場に到着するとそこが三笠山山頂です。

ロープウェイ駅に人がいっぱいでも、ここは人も少なくのんびりと休憩できます。
東屋とベンチが数台あり紅葉の時期は特に美しく、よく日が当たるおすすめな場所です。

なお小豆島にはニホンザルの群れが生息しており、この三笠山頂周囲第四景老杉洞などで見ることができるやもしれません。

老杉洞のニホンザル群は県指定天然記念物になっています。
野生動物ですので、仮に出会えてもくれぐれも注意して。

星ヶ城山へ

三笠山から奥へ進んで星ヶ城山を目指します。

星ヶ城山は西峰・東峰があり、最高地点と1等三角点は奥の東峰にあります。
東峰まではおよそ50分ほどの山歩きです。

まずは西峰を目指して歩いていきましょう。

星ヶ城山 西峰

前半は舗装された緩やかな登りを進んでいきます。

25分ほど天然林の間を歩き、左手に星ヶ城神社をみれば間もなく看板の立つ分岐があります。

西峰への近道と迂回路が分かれていますが、右手へ進んで西峰をまっすぐ目指します。

さらに5分ほどで西峰阿豆枳島神社
こちらが星ヶ城山西峰です。

目の前には瀬戸内海が広がります。

星ヶ城山 東峰へ

続けて東峰へ歩きましょう。

西峰迂回路の巻道への合流手前で少しだけ急な下りがありますが、穏やかな道が続きます。

塹壕跡(土壇)人口井戸跡などを目にしながら、15分も歩けば東峰へ到着です。

東峰には東峰阿豆枳島神社のほか、1等三角点祭祀遺構の塔が立つのが印象的です。

その周囲にも烽火台・東の出隅・居館跡などの史跡が数多く残ります。

瀬戸内海を目の前にベンチで休憩です。
晴れた日の穏やかな瀬戸内海を眺める景色は最高です。

動画 星ヶ城山 東峰

下山・裏八景の道

来た道を戻り、ロープウェイ乗り場まで帰ったら今度は裏八景の道を歩いて下山します。

裏八景の道入口は公衆トイレに向かって左手の木陰に案内板があります。

道は石畳になっていますが、歩行者も比較的少ないためか落葉や枯枝でまずまず荒れています。
終盤は落ち着きますが足元に注意して降っていきましょう。

鹿岩と松茸岩

黙々と歩いてゆき、裏八景の最初は鹿岩松茸岩です。

特に松茸岩は間近で見ることができ、その先には瀬戸内海の眺望があります。
ここにはベンチも設置されていました。

振り返って見えるのは鹿岩
ラクダやキリンに見えると思ったら実際にそう案内に書かれてありました。

石門・石門洞

続けて山頂から約1km地点。
裏第三景の石門、続けて小豆島霊場18番札所、石門洞(せきもんどう) に到着です。

石門は自然が作った大岩のアーチ。
それを木々が覆い光がさす光景は見事です。

石門洞はかつて行場として使われていた、洞窟を利用して建てられた寺社です。

弘法大師がかつてこの地の洞窟で修行をしたことより大師洞と呼ばれて信仰を集めたといわれています。
階段を登った先に祈り場があり、本堂内部も洞窟の岩壁が露出してそのまま用いられています。

寄せ石造りの不動明王像は日本一とも呼ばれておりこれまた圧巻です。

境内にはモミジの木が多く、紅葉の時期も見事だとか。
紅葉谷の名で紅葉の名所として名高いです。

猪谷登山口へ

石門洞を過ぎれば綺麗な舗装道が登山口まで続きます。
10分ほど歩けば幟岳大亀岩二見岩螺貝岩の眺望所が固まって登場。

あとは登山口まで歩き切りましょう。
猪谷登山口まで降りたら、紅雲亭まで15分ほど車道を歩いて起点に戻ります。

予習していても一度で全ての見どころを楽しむのは難しい盛りだくさんのコースでしたね。
お疲れ様でした!

参考コースタイム

ロープウェイ紅雲亭駅
 ~四望頂 展望所(50分)
 ~ロープウェイ山頂駅(10分)
 ~三笠山山頂(15分)
 ~星ヶ城山西峰(30分)
 ~星ヶ城山東峰(15分)

星ヶ城山東峰
 ~三笠山山頂(40分)
 ~ロープウェイ山頂駅(5分)
 ~石洞門(45分)
 ~猪谷登山口(15分)
 ~ロープウェイ紅雲亭駅(15分) 

歩行時間 往路2時間 帰路2時間
活動時間 5時間11分 (休憩込)
歩行距離 8.5km
獲得標高 657m

あとがたり

秋の小豆島寒霞渓をお届けしました。

有名で観光客も多い場所ですが、星ヶ城山まで登る方は一握りであろうと思われます。

三笠山から眺める渓谷美はもちろん、歴史ある星ヶ城山の史跡もあわせて一緒に歩いていただきたいです。

また小豆島には寒霞渓以外にも数々の名所があり、それ以外にも魅力がたくさんです。
宿をとりゆっくりと楽しまれることをお勧めします。

それではここまでお読みいただきありがとうございました。

また次の山でお会いしましょう。

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