石立山【高知/四国百名山】

こんにちは四国グラフィです。

この記事では"四国一険しい山" 石立山について登山に必要な情報を写真とともにお届けしています。

※この記事の元になった登山は2023年11月上旬です。

石立山 概要

石立山(いしだてやま)
標高1707.7m
高知県香美市/徳島県那賀町
四国百名山/百山
写真は捨身ヶ嶽からの石立山山頂

石立山について

石立山の魅力

剣山系の南に位置し、高知と徳島の県境に跨る石灰岩の山が石立山です。

白く尖った石灰岩がゴロゴロ露出した急峻な山容は四国一険しいと評されています。

その一方で山頂周囲は北に徳島県剣山系、南に高知県の山を見渡せるパノラマの絶景。

また西にべふ峡、東に高ノ瀬峡紅葉の名所に挟まれる景勝地でもあります。

天空の花園

5月ごろには様々な花が咲くことでも知られており、山頂付近はミツバツツジとシロヤシオ、またこの山域でしか自生しないイシダテクサタチバナが観られるなど天空の花園と呼ばれています。

厳しいのみならず、だからこそ自然の魅力の深い山といえます。

石立山はいずれの道も健脚向けコースとして紹介されることが多く、2010年代まで難所や道迷いも多く報告されるために十分準備の上で臨みましょう。

登山口紹介

石立山登山口

  • べふ峡登山口① 西峰尾根コース※
  • べふ峡登山口② 南尾根コース※
  • 日和田登山口

※名称は当ブログによる

石立山にはべふ峡からの2本の異なるコースと南東の日和田集落より登る日和田登山口コースがあります。

いずれも標高差1000m以上、登頂に4時間程度が見込まれるハードなコースです。

おそらく最もよく歩かれている赤い掛橋から入るべふ峡石立山登山口のほか、
第二駐車場奥からも日和田コースに合流して石立山へ登れる登山口があります。

べふ峡第一駐車場には公衆トイレが併設されています。

日和田登山口の方は道路沿いから取りつくことになりますのでトイレ等はありません。

本記事ではべふ峡登山口より西峰コースを登り、南尾根コースで下山しました。

"時計周り周回" などと呼ばれる歩き方です。

GoogleMap

石立山コース紹介

石立山からの縦走路は?

石立山からの縦走路としては西に位置する竜頭山(1264.4m) や、
西峰より北の中東山を経て剣山系縦走路(高ノ瀬~平和丸間) へ繋がる道があります。

いずれも上級者向きであり本記事では割愛します。

登山記録

それでは実際に石立山に登った日の記録をお届けしていきます。

べふ峡石立山登山口

高知市より車で2時間弱でべふ峡に到着。
紅葉シーズンのべふ峡とはいえ、朝1番には駐車場に自分1人しかいません。

昼前には人混みができるべふ峡を独り占めですが、四国一の険しい山への挑戦前ということで身が引き締まる気持ちで紅葉を眺めます。

案内板のそばの東家を越えると、鮮やかな赤い吊橋とともに石立山登山口が示されています。

ここを渡ればすぐに急な登りがはじまります。

2000-2010年代にも遭難事故が発生している山域のためか、岩稜帯のマーキングや赤テープ、看板などで親切すぎるほどに道は示してくれています。

往路① 竜頭谷まで

最初の区間は登山口からトラバースの登りを歩き竜頭谷の渡渉ポイントへ向かいます。

狭い斜面の道ではガイド兼滑落防止の柵が建てられていますが一部崩れてしまっています。

歩き始めて20分ほどで最初の石立山の看板を目にします。

こちらはかつては右方向に百間の滝の案内板があったようですが、現在はなくなっています。

百間滝は知る人ぞ知る滝で、竜頭谷の渡渉点より100mほど下流に位置します。
落差50m超で増水期は圧巻の迫力です。

とはいっても石立山の登頂を目指すならばあまり寄り道の余裕はないため、帰り道に寄るくらいのつもりがよいでしょう。

さらに15分ほど登るとカタツムリの看板
左手に折れて植林の道を登るとまもなく竜頭谷です。

竜頭谷は渡渉になることがあるポイントですが、今回は晴れ続きのため容易に渡ることができました。
登りはじめて初めてくだった気がします。

ここを渡るとしばし、足下がザレた河原の道を登っていくことになります。

往路② 石立山の岩稜帯

谷を渡ると朽ちた看板がありますが、これは植物群落保護林の看板です。
特に山頂に近づくほど顕著ですが、この山域もシカなどの植生への被害が強く、何ヶ所かで防護ネットを目にします。

ざらざらした斜面の道を右に折れて歩き、看板に突き当たったら左を向いて尾根に乗ります。

ここからごろごろと連なる石灰岩の岩稜帯が始まります。

明確なルートがわかりにくいこともありますが、要所で岩にも赤い矢印がマーキングで描かれており、そうそう間違えることはないでしょう。

ぐっと標高もあがり、振り返ると色づいたべふ峡の景色を眺められるようになります。

岩場を越えて少し緩やかな区間に入るとブナなどの紅葉に癒されます。

右手に植生保護のネットを目にし、まもなく標高1183m地点です。
こちらでようやく半分弱、まだまだ同様の登りが続きます。

休憩に適している場所ですので一息つきましょう。

休憩を終えると再度鋭い岩の上を登ってゆきます。

左手を眺めると竜頭山と、その向こうに香美白髪山が顔を出します。

振り返るとこんな場所を登ってきています。

難しくはないですが、転倒にだけ注意して登りましょう。

岩の上に乗ることが多いですが必ず足元が安定しているか確認し、不用意に枝などを掴まないようにしましょう。

さほど高難度の場所もありませんが、万一滑落すると落命必至です。

この区間では岩場の間に天然ビャクシンの老木を目にすることもできます。

岩場を越えて巨木の倒木を目にし進むと、再びゆるやかな区間へ入ります。

ここで標高1472m地点。

ここから石立山西峰に向けてラストの登りです。

往路③ 石立山西峰

西峰手前の登りもまずまず急ですが、ここまで来ると楽に感じられます。

西峰では捨身ヶ嶽の案内看板、中東山・石立山・べふ峡の分岐案内が建てられています。

西峰周囲は平らでスペースがあり休憩に適しています。
少し左手北方向に進み捨身ヶ嶽を見下ろせる場所が最も眺めも良い場所になります。

少し足を休めたら捨身ヶ嶽に渡ってみることにします。

捨身ヶ嶽

捨身ヶ嶽(しゃしんがたけ) は石立山西峰より連なる石灰岩の絶壁です。

コース中で眺望は最もよく、剣山系の山脈から眼下の高ノ瀬峡までを遮るものなく一望できます。

本当に雄大で美しい場所です。

石立山は大変ですが、このために登った甲斐があります。

捨身ヶ嶽まで登ってみる場合は、ガイドのためのトラロープが張られていますが、頼りにしすぎず注意しておりましょう。

降りてさえしまえば見た目に反してさほど危ない場所はありません。

捨身ヶ嶽からは目指す石立山山頂がよく眺められます。

当然眼下の高ノ瀬峡もより近く感じられ絶景です。
V字の峡谷が紅葉に染まっている様子を特等席で見られるでしょう。

動画:石立山の景色

ここまでの道中をまとめた動画はこちら。

絶景を堪能したらついに山頂へ向かいましょう。

渡ること15分ほどで石立山山頂です。
途中で先ほどまで登った西峰から捨身ヶ嶽を眺められるスポットがありますので見ておきましょう。

石立山山頂

ついに石立山山頂へ到着します。
休憩時間込みでおよそ4時間ほどのコースでした。

四国でそれなりに登山者がいる山の中では、縦走を除くと最短ルートがこれほど大変な山は少ないと思います。

さすがは四国一険しい山。

べふ峡コースから登ると山頂手前からみられるササ原に少し安堵します。

シカなどの食害により山頂周囲のダケカンバ林は荒れて保護ネットが張られています。

登り道中とは裏腹に広々とゆったりした山頂で一息入れましょう。

西峰と同じく剣山方面や、高知県側は土佐湾に至るまで眺望に恵まれています。

なお山頂の東には石立神社の祠があり、高知・徳島の県境にまたがり大山祇命・役の行者を祀っています。

下山:日和田べふ峡分岐へ

今回は先述の通り山頂から日和田集落へのコースを降りて、途中の分岐よりべふ峡へ繋がるもうひとつの尾根道を降りました。

見慣れたササ原ではありますが、石立山はどこをとっても急な下りです。

降りはじめて15分ほどで、日和田・べふ峡分岐へ。
ここを右手に折れて下っていきます。

標高1392m地点まで

往路と同じように、時折岩場が出現する急な尾根道を少しずつ進んでゆきます。

こちらのコースも赤テープやマーキングが多く、注意していれば道迷いはないでしょう。

標高1182m地点まで

同様に岩稜帯を交えた全体的に急なくだりが続きます。

この区間では南東の四ツ足峠方面の景色を見下ろせる場所があります。
標高1182m付近はなだらかで休憩に適しており、紅葉も鮮やかです。

べふ峡登山口へ

だいぶ降りてきましたが、ここからも急なくだりで本当に足が休まる区間がありません。

特に最後のつづら折の道は勾配も急で、登りに使った道よりも荒れてわかりにくいところもあります。

最後まで注意しましょう。

順調に降りてくれば山頂からべふ峡第2駐車場まで3時間程度です。
お疲れさまでした!

参考コースタイム

(往路) 西峰コース
べふ峡登山口
〜竜頭谷 (50分)
〜標高1183m地点 (70分)
〜標高1472m地点(60分)
〜石立山西峰(45分)
〜捨身ヶ嶽(10分)
〜石立山(15分)

活動時間 4時間10分
歩行距離 3.8km

(帰路) べふ峡南尾根コース
石立山山頂
〜日和田・べふ峡分岐(15分)
〜標高1392m地点(45分)
〜標高1181m地点(40分)
〜べふ峡第2駐車場登山口(80分)

活動時間 3時間
歩行距離 3.6km

合計
行動時間  7時間42分 (休憩込み)
歩行距離  7.5km
獲得標高  1287m
山行記録:石立山(2023/11/2)

2023年2発目の紅葉登山は四国で最も険しい呼ばれる名山、石立山です。登山口は高知のベふ峡、山頂付近からは徳島の高ノ瀬峡を一望できる紅葉時期にはもってこいの山。ハー…

関連記事:速報・感想記事です。他の写真も掲載しています。

あとがたり

四国で最も険しい山石立山の記録をお届けしました。

全体的にハードであることを説明する内容になりましたが、辛いばかりの山道ではなくそれだけに強い充実感を覚える印象深い登山になりました!

特に、紅葉のべふ峡高ノ瀬峡の絶景を味わえる唯一無二の山であり、登りやすい秋の登山が強くおすすめです。

石立山は希少な高山植物も有名ですので、春から初夏も見どころが多いでしょう。

遭難防止のためか赤テープが豊富でコースも整備されている印象を受けましたので、一昔前よりも登りやすくなっている印象は受けますが、しっかりと十分な準備の上で挑まれるようよろしくお願いします。

それではまた次の山でお会いしましょう。

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