二ッ岳【四国百名山】

こんにちは四国グラフィです。

今回は愛媛県赤石山系の二ッ岳(ふたつだけ)について登山口・コース解説などを含めてお届けします。

※この記事の元になった登山は2022年5月です。

基本情報

標高1647m
愛媛県四国中央市
四国百名山

二ッ岳は石鎚山脈東部の赤石山系に属し、角閃岩からなる険しい山容が特徴の山です。

東赤石山の東に連なる黒岳・エビラ山・二ッ岳二ッ岳山塊とも呼ばれ、険しい岩峰を越えていく縦走路はかつては難路であり上級者の山として知られていました。

現在はロープ場や梯子が整備されて誰でも登れるようになっています。

とはいえ中盤以降の岩場のアップダウンを繰り返す尾根渡りはなかなか体力を要し、普段の四国の山登りとはまた違った山行が楽しめるでしょう。

体力のある方は二ッ岳よりエビラ山・黒岳・権現山と踏破する縦走や、東に位置する赤星山や羽根鶴山へ渡る方もおられるようで、この日帰りコースは四国最難関の部類として語られることも多いです。

この記事では南側林道の肉淵登山口よりピストンで登った記録を写真と共にお伝えします。

二ッ岳を象徴する角閃岩の岩峰

二ッ岳登山口

二ッ岳へ登る登山口は、縦走を除けば主に2つあります。

肉淵登山口(別子山登山口)

二ッ岳の代表的な登山口は、愛媛県道131号線(林道峨蔵線)の週末にある肉淵登山口です。

高速道路三島川之江ICなどより県道6号線を銅山川沿いに走り、肉淵地区のバス停付近で林道へ入り登ってゆきます。

見落としやすいですが林道への入り口には「赤石山系登山口」の案内が示されています。

新居浜市より別子山地域バスも運行しているようですが、ここから登山口までの林道は徒歩2時間ほどかかる道のりで帰りにも苦労するため、自動車でのアプローチが良いでしょう。

林道の終末部に登山口があり、すぐそばに数台駐車可能です。
少し手前の路側帯も利用することができるでしょう。

登山口にはトイレはありませんので銅山川沿いの展望所などを利用しましょう。
買い物は新居浜市などで済ませておく必要があります。

※多くの資料では肉淵登山口と記載されていますが、峨蔵越の看板には別子山登山口と表記されています。

土居登山口(敬天の滝付近)

二ッ岳の北側に位置する愛媛県土居町の敬天の滝付近からも登ることができます。

この北面コースも後述する峨蔵越で肉淵コースと合流して西へ山頂を目指すことになります。

敬天の滝までは土居町より浦山川沿いに林道法皇線を南下することになりますが、後半は未舗装のダートになります。

ダートに入る前に駐車して林道登山口より1時間ほどの林道歩きで敬天の滝へ至ることもできます。

肉淵コース概説

肉淵登山口から二ッ岳へ登るには、山腹を縫う形で谷川を越えながら登ってゆき、尾根上の分岐点である峨蔵越(がぞうごえ)から西方向へ尾根を伝ってゆきます。

YAMAP地図より

峨蔵越までの前半戦は、一箇所道幅の狭い岩壁の道をロープを支持して進むことになりますが、それ以外全般に危険箇所はありません。

アップダウンを繰り返してジグザグに進む道でおおよそ2.4km 80分ほどの道のりです。

尾根伝いに岩峰を越えていく後半戦は、距離こそ1km程ですが前半戦と同程度の時間を要します。

前述の通りロープ場の登降や梯子があり区間を通して気が抜けません。

後半戦は半ばを越えたところで鯛の頭の休憩所がありますので活用しましょう。

山頂よりも広く眺望があるためより休憩に適しています。

必要な準備

ロープ場が多く岩場も掴むためグローブは必須になります。
夏場は藪漕ぎになる場所がありますので夏場でも長袖も用意しておきましょう。

冬場で岩場が凍結している場合は特に危険ですので、二ッ岳に限ったことではありませんが装備のない場合は無理な挑戦は控えるようにしてください。

登山開始~峨蔵越

肉淵登山口

登山口の階段を登って二ッ岳に挑戦開始です。

序盤は山腹を縫ってうねうねと進んでいく比較的緩やかな登りが続きます。

全体的に眺望がなく黙々と歩いていく形になるでしょう。

歩行距離約1.0kmより数カ所の谷川渡りが始まり,特に湿っていると足元が不安定な場面が出てきます。

水場を越えるとすぐ一箇所ロープを利用して細い足場の道を越えます。
ここは滑ると転落してしまうので慎重に。

狭い足場と岩壁の道

これを越えると引き続きトラバースを歩いて緩やかに標高を上げていきましょう。

峨蔵越の手前でようやく木々の合間から空が拝めるようになります。

青い空が見えたらまもなく峨蔵越に到着です。

峨蔵越では土居登山口からの北面コースが合流しており、東に赤星山方面、西に二ッ岳が示されています。

ここからは急登が始まるのでザックを降ろして一度休憩しましょう。

登山口よりおよそ1時間20分、歩行距離2.3kmです。

鯛の頭へ

ここからはロープや梯子を利用して岩陵帯を渡ってゆきます。

早速角閃岩の足場を乗り越えて進めば、春はアケボノツツジシャクナゲが迎えてくれます。

シャクナゲの咲き残り

鯛の頭の休憩所まで岩峰をいくつか越えることになります。

トレッキングポールは片付けてグローブに切り替えて進みましょう。

1つ目の岩峰を越える途中から進行方向に二ッ岳の姿が現れ、西の赤星山方面や南西の高知県の山が視界に入ります。

岩峰から眺める二ッ岳
高知県方面 梶ヶ森など

ロープを用いた降りの後、『山頂まで1.0km』と『これから先は特に危険』の看板が示されています。

ほどなく特に印象的な長い梯子の登りが登場です。

この梯子が2本登場します

登りもですが、降りでも十分注意して。

梯子を終えた後も岩場に張り付いて登ってゆき、再び尾根を歩いていくと、特に大きな二連の岩峰の下に鯛の頭の休憩所があります。

鯛の頭の休憩所
鯛の頭

鯛の頭は二ッ岳の名物。
この特徴的な岩峰の通称です。

空に向けて口を開いているかのような姿ですね。

鯛の頭越しに新居浜と瀬戸内海の景色も眺められます。

鯛の頭の奥に瀬戸内海

この鯛の頭にも鎖がかかっており登る方もおられますが、見ての通り危険なので自信のある方のみ挑戦してください。

ここは山頂よりも休憩に適した広場ですので、最後の急登を前に一息入れておきましょう。

鯛の頭まで登山口から2時間程度、歩行距離2.8km。峨蔵越からは40分ほどです。

二ッ岳山頂へ

鯛の頭の休憩所を越えてラストスパートです。

短いブッシュを抜けると山頂まで0.5kmの看板が。

厳しい登りが続き、終盤のロープ場を越えた後に最後の急登にさしかかります。

ごろごろと転がる大きな岩を登り、木の根に手をかけながら登り切ると二ッ岳山頂です。

山頂はやや狭く木々に囲まれていますが、合間を縫って探せば西方向に伸びるエビラ山・黒岳や東赤石山方面を眺めることができます。

山頂を示す看板のそばに3等三角点が設置されています。

登山口から2時間30分、歩行距離3.3kmでの登頂です。

歩行距離こそ短いものの峨蔵越からの登りがなかなかのもので、かなり時間がかかりました。

このままエビラ山を目指して縦走する場合は、山頂手前の分岐より西へ降りましょう。
少し進んだところに見晴らしのいい眺め岩もあります。

今回は往路を戻り肉淵へと戻りました。

登ってきた急な梯子やロープを降るのはなかなかスリリング。

お疲れ様でした。

あとがたり

山名に『岳』がつく山は総じて険しいといわれますが、二ッ岳もそれに違わず終盤になるほど勾配を増す登山道がなかなかタフな山となりました。

標高と歩行距離をグラフにすると下記のようになります。

綺麗なスライムの頭になっていて可愛いですね。

登ったときは鯛の頭に登れることを知らずに逃してしまったことが心残りでしたが、次回は敬天の滝ついでに北面ルートを登ろうと思っています。

赤石系の中では比較的登山者が少ない山だと思いますが、これから初登頂する方の参考になれば幸いです。

それでは今回もお読みくださり有難うございました。

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