雨ヶ森【高知/四国百名山】
こんにちは四国グラフィです。
この記事では高知県仁淀川町の雨ヶ森(あめがもり) について、登山に必要な情報を写真とともにお届けしています。
※この記事の元になった登山は2024年3月です。
Contents
雨ヶ森
概要と見所
雨ヶ森 (あめがもり)
標高1390m
高知県仁淀川町
四国百名山・百山
写真は国道494号線林道に入る手前より
雨ヶ森は高知県仁淀川町の独立峰。
周辺集落の民から聖なる山として崇められた歴史のある山です。
高知県の山の中でも険山として名前を挙げられることもあります。
高知県屈指の険コース
雨ヶ森は複数の登山コースがありますが、どれも歩行距離約2-3kmで900m弱を登る登りの山です。
この急登続きの登山道はたびたび話題になることもあり、今回紹介する岩柄登山口からのコースは、四国で一番険しいと名高い石立山や三嶺光石コースと並んで名を挙げられるのも目にします。
歩行距離、行動時間こそさほどでもないですが、登山者が少ないことによる足元の悪さや滑りやすさなどが影響している印象です。
故に里山だと思うと予想以上にしんどい思いをするかもしれません。
かつて山頂には神社があったそうで、住民たちが参拝していたと云われますが、そんな道の険しさも修験の道として篤い信仰に転じていたのかもしれませんね。
岩迦羅神社と岩屋
かつて雨ヶ森の山頂に祀られていた岩迦羅神社は、
古くは応神天皇、現在は菅原道真を氏神とする神社とのことです。
年毎の祭礼の折には村人が登頂して神事を行なっていたとのことですが、その道の険しさより遷宮された歴史があります。
現在山頂には名残の石積だけが残っています。
標高1150mあたり、山頂より岩柄方面へ400mほどの場所に大きな岩屋があり、小さな祠が残されています。こちらがかつて一時遷宮されていた名残です。
現在岩迦羅神社はさらに遷宮され、岩柄集落の入口へと降臨しています。
登山口紹介
現在雨ヶ森へ登る一般的なコースは3本。
- 岩柄登山口
- 樫山登山口
- 椿山林道登山口
今回は南の岩柄コースをご紹介します。
歩きごたえもさることながらとても展開に富む道です。
岩柄登山口
安居渓谷などでお馴染みの仁淀川町。
土居川沿いに国道494号線を北上して岩柄集落へ向かいます。
林道からさらに集落へ続く道へ入る必要がありますが、岩迦羅神社をナビの目的地にすれば良いでしょう。
その後の分岐では雨ヶ森登山口を看板で数箇所示してくれています。
民家脇に小さな看板で雨ヶ森登山口が示されています。
目の前の路側帯に数台分駐車スペースあり。
登山口付近は通信会社の電波は入りますが、登山道中は圏外が多く、山頂付近では使用できるようになりました。
トイレなどの設備はありません。
Google Map (岩柄登山口)
仁淀ブルーで有名な安居渓谷付近
樫山登山口からも多く登られているようです。
なお、昇竜の滝奥から登るコースは現在使用されておらず、2023−24年に挑戦された方も登頂を断念された記録を目にしました。
岩柄コース紹介
コースマップ
登山口から間もなく足山の滝分岐を経ます。
渡渉を含む沢歩きに谷越え、急登ののち岩迦羅神社名残の岩屋へ。
尾根に乗ってからはツツジ・ブナ・カエデなどの天然林が見ものです。
往路歩行距離約2.4km、登り970m。
登り2時間40分ほどのコースです。
参考コースタイム
足柄登山口
~足山分岐(5分)
~双竜の滝(15分)
~標高800m看板(10分)
~渡渉点(30分)
~標高1000m看板(10分)
~ルンゼ(5分)
~岩屋(20分)
〜雨ヶ森山頂(40分)
往路
歩行距離 2.4km
獲得標高 970m
歩行時間 2時間40分
その他のコースはこちら
登山記録
それでは実際に雨ヶ森登山、
岩柄コースを歩いた記録をお届けします。
岩柄登山口~足山の滝
登山口より階段を登り、石畳風の道を辿って植林の中を進みます。
ものの5分程度で足山の滝分岐を目にします。
なかなか美しい滝ですので帰りにでも寄るのを勧めます。
陽が高い時間に滝の撮影を済ませたいので往路で寄っていますが、この記事では割愛して先へ進みます。
なお、滝を見に行くだけであれば5分も歩けば滝の麓へ到着します。
※足山の滝【四国の滝探報/高知】 別記事に写真を掲載しています。
標高600m~渡渉まで
足山の滝分岐を過ぎるとすぐ標高600m看板があります。
雨ヶ森は頂上まで標高100mごとに看板があるほか、赤・青のテープや看板が豊富に設置されています。
注意深く歩けば道間違いは防げるでしょう。
足元は落ち葉が多く、天候は晴れ続きなのにじっとりと湿っています。
滑りやすいほか序盤は特に倒木も多く注意が必要です。
親切にたくさん掛けられている登山道の看板。
大事にされている登山道なのが伺えますね。
標高660m地点付近で再び滝の音が聞こえ、
左手植林樹の奥に小さな滝を見ることができます(これは双竜の滝でしょうか)。
ここを通過して左手に切り返して標高700mの看板を見て登り続けます。
コース全体が登り続きですがもう第1の急登は始まっています。
標高800m、右へ切り返して相変わらずの登り道です。
足元の落葉は少し落ち着いています。
標高900mを越えると急登が一旦落ち着き沢沿いを歩きます。
数回渡渉があり、一部沢を歩くことになりますが、晴れた環境では特に問題となることもない癒し区間でした。
ただし雨や雨の翌日ですとかなり危険度が増して気の抜けないポイントになりそうです。
こちらは気持ちのいい場所でしたので少し足を止めて休んでいます。
暖冬の2024年でしたが3月でチラチラ雪が待っています。
標高1000m~岩屋まで
渡渉を過ぎると標高1000mの看板。
このあとすぐに固定ロープの張られたルンゼ(谷)へ出ます。
急斜面ですがさほど難しくなく通過できます、巻道もあるそうです。
この後、足元のザレた沢沿いの道を登ってゆきます。
登り続きですがこの辺りは岩柄コースの面白いところ。
赤テープと文字の消えた看板が変わらず道を示してくれます。
沢を登り切ると、尾根に出る前に巨大な岩屋前に到着です。
こちらはかつて山頂にあった岩迦羅神社が一時遷宮されていた場所。
とても神秘的です
現在は岩屋内部には小さな祠が残されています。
なお岩迦羅神社はアプローチで目にしたはずの集落入口に遷宮されています。
残りは山頂手前の尾根の急登となります。
ここくらいしか休憩向きという場所はありませんので、最後の登りの前に少し呼吸を整えておきましょう。
尾根道 最後の急登
岩屋を過ぎると南尾根へ出ます。
ところどころ痩せている岩尾根ですが、転落しそうな箇所はありません。
途中で1箇所急に目の前に岩壁が出現し登りたくなりますが、
往路の進行方向に対して左側に巻けば楽に通過可能です。
左に尾根を外れます
ブナやカエデの天然林で最後まで急登が続きます。
春はアケボノツツジやシロヤシオが見ものな癒しの区間でもあります。
この区間は40分ほど。
登りきれば雨ヶ森山頂です。
雨ヶ森山頂
山頂はなだらかですが、さほど広くはありません。
眺望は一部周辺の木々に阻まれています。
北西方面への眺望はよく、晴れていれば石鎚~二ノ森などがよく見えます。
(尖って見える山です)
そこから右へ目を向けると筒上山、手箱山が間近に眺められます。
この日は雲が厚かったために残念でした。
山頂中央にはササの中に雨ヶ森の看板と三等三角点。
岩柄コースで登った場合に最初に目にする石積は岩迦羅神社があった名残です。
長い登りを越えた後である分感動もひとしおです。
景色を楽しんだら往路を戻ります。お疲れ様でした。
Photography
あとがたり
高知県屈指の険しい山雨ヶ森でした。
前評判通りの登り続き、なかなか歩きごたえのある山でしたが、滝に沢に渡渉にと大変変化に富む楽しい登山となりました。
やや体力のある方向けではありますが、天候条件が良ければ特別な準備はなくとも登ることが出来ます。
春から夏にかけては新緑と花が迎えてくれるでしょう。
それではまた次の山でお会いしましょう。
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