屋島(北嶺-南嶺)【香川/四国百名山】
こんにちは、しこぐらBLOGです。
この記事では香川県高松市の屋島について登山に必要な情報を写真とともにまとめています。
本記事では登山口は北嶺登山口を使用しています。
※この記事の元になった登山は2024年4月、および2021年(南嶺コース)です。
Contents
屋島
概要と見所
屋島 (やしま)
標高292.1m (南嶺) 282m (北嶺)
香川県高松市
四国百名山
写真は五剣山からの屋島
(左が南嶺 右が北嶺)
屋島は香川県高松市中心部より車で約20分ほどのところにある台地状の山です。
標高292mの低山ですが史跡天然記念物として重要であるほか、
南嶺山頂には第84札所の屋島寺、新屋島水族館などの観光名所が並びます。
山頂駐車場も整備されて自動車で登ることもでき、高松を代表する観光地として人気の場所となっています。
屋島観光情報サイトはこちら↓
https://www.yashima-navi.jp
史跡天然記念物
屋島はその地質学的特性、歴史的特質によって
昭和9年(1934) に史跡天然記念物に指定されています。
メサ・卓状台地
差別侵食により形成されたテーブル状の台地のことをメサ(mesa)または卓上台地と呼びます。
差別侵食とは、強度の異なる地質が隣接してあり、軟らかい地層の方が早期に風化侵食されるうことを指指します。
屋島は南・北嶺に分かれた東西2km・南北5kmもの台地であり、日本におけるメサの代表です。
源平合戦
屋島といえばなんといっても源平合戦の舞台。
屋島の戦いは平安時代末期、元暦2年・寿永4年(1985) に行われた戦いで、治承・寿永の乱の一部です。
幼年の安徳天皇を連れて放浪する平家は太宰府を追われたのち屋島に拠点を置きました。
平宗盛に対したのは戦の天才と後世に名高い源義経。
義経の海越えの強行軍による奇襲をはじめとする手腕に敗北した平家は、屋島を追われることになりました。
合戦にまつわる逸話や史跡などが屋島周囲にたくさんあります。
南嶺三角点から東の展望所には案内図もあります。
弓流しや扇の的などの平家物語の有名エピソードはこの屋島合戦での話とされています。
扇の的は那須与一人気で有名になりましたね。
源平合戦はこの後、壇ノ浦(現在の山口県) での最終決戦へと続いてゆきます。
3つの展望所
屋島登山道には独特の名前のついた展望所が3ヶ所登場します。
- 遊鶴亭 (北嶺)
- 獅子の霊巌 〜 屋島城跡 (南嶺)
- 談古嶺 (南嶺)
いずれも素晴らしい眺望ですのでぜひ立ち寄ってみましょう。
なおこれら以外にも展望所が複数あります。
屋島
登山コース紹介
コースマップ
北嶺と南嶺
屋島は先述したように平べったい台地型の地形ですが、
北嶺・南嶺の2つのピークがあります。
まず一等三角点がある南嶺が最高地点であり、こちらを目指して歩くのが良いでしょう。
駐車場や新屋島水族館、商店街などがあるのも南嶺側です。
北嶺側には鑑真由来の千間堂跡とトイレのある休憩所があります。
北嶺山頂のプレートは少し外れた場所にあるので注意。
何より瀬戸内海を一望できる展望所の遊鶴亭が北嶺コース途中にあります。
登山口とコース選択
歩くコースですが、特に南嶺側にはたくさん選択肢があります。
代表的な南嶺登山道の屋島寺(第84番札所) へ到着するコースは全面が舗装されており、あまり登山という感じはしないかもしれませんが、山道だけあってお地蔵様や祠が立ち並ぶ厳かな道です。
登山口直前にも数台分のスペース(車止め) がありますが、そこまでの道も市街地の細い道です。
少し外れたところに屋島西ルート駐車場があり利用可能なほか、周辺にも有料駐車場が複数あります。
また、麓の冠ヶ嶽直下にある讃岐東照宮屋島神社にも駐車場が整備されています。
南嶺登山口
山頂すぐの屋島寺へ続く道
おすすめは
北嶺登山道から
一方、北嶺の登山口・登山道は1ヶ所のみです(調査した限り)。
遊鶴亭までは未舗装の山道ですし、歩き馴染みのある登山道といった印象を持ちます。
こちらから南嶺山頂を目指せばちょうど良いくらいの時間・距離になりますので、筆者としてはこのコースをお勧めします。
- 北嶺登山口 〜 遊鶴亭 〜 屋島北嶺山頂
- 南嶺へ渡り 〜 談古嶺 〜 屋島南嶺山頂 〜 獅子ノ霊巌 〜 談古嶺
- 北嶺登山口へ戻る
早めに歩いて約2時間30分ほどの周回コースです。
登山らしく山道も歩けて、主要な3つの展望所も全てマークできます。
北嶺登山口
駐車場・トイレなどはありません。
周辺の路側帯に駐車する方が多いようです。
登山記録
それでは、実際に北嶺登山口より登った記録です。
北嶺登山口
路側帯の道幅が広いところに駐車してスタートです。
屋島はどの道もわかりやすく、迷うことはほぼないでしょう。
最初は木組の階段を登っていきます。
登っていくと天然の洞窟を目にすることができます。
かつて防衛拠点として自然の要衝であった屋島、この場所も活用されていたのでしょうか。
現在は落盤の危険あり絶対侵入禁止です。
ここを過ぎると手すり付きの階段が登場。
登り切って進むとまもなく遊鶴亭へ到着です。
遊鶴亭
北嶺登山口から遊鶴亭までは800m程度。
台地状の屋島北端に位置し、瀬戸内海を一望できます。
小豆島、男木島、女木島、大島などに、往来する船、飛び交う鳥たち。
ここを目指してハイキングする方が多いのも納得の風景です。
Movie
屋島北嶺へ
遊鶴亭を過ぎたら次は北嶺山頂を目指します。
ここからはほぼ全ての道が舗装道となりますので、足を痛めないように気楽にいきましょう。
両脇に歩道があります
植生や野鳥について案内板豊富
北嶺山頂は少し確認しづらいところにあります。
左右に分かれた道の真ん中くらいで、下示の2枚の看板の地点をつなぐ形で道が通っています。
特に案内がないので見落としている方も多そうです。
この道からも少し外れた場所にありわかりにくいですが、途中で見られる2本の赤テープの間を抜けて北側へ少し歩きます。
小さな山頂プレートが確認できるでしょう。
北嶺山頂は標高282mです。
北嶺の南部は千間堂跡の湿地帯。
この周辺は休憩スペースとして公園のような整備が行われており、かなり綺麗なトイレも整備されています。
左右の道が合流したら、南嶺へと歩みを進めましょう。
登山口より北嶺の分岐合流部まで約1.8km50分。
屋島南嶺へ
続いて南嶺へ歩いていきます。
変わらず天然林の舗装された道に、ところどころで展望所のベンチから瀬戸内海の景色を眺めます。カップルシートみたいですね。
北嶺から渡るとまず談古嶺の展望所付近に出ますので、こちらから回っていきましょう。
談古嶺
かつての屋島の合戦を偲び、人々が昔のことを語り合う尾根という意味だそうです。
対岸の五剣山(現在は八栗寺以降入山禁止)や合戦の舞台となった湾岸部が一望できます。
ここから南に山頂を目指して歩きますが、数ヶ所に同様の展望所やベンチがあり、史跡を眺められるようになっています。
屋島 一等三角点
三角点のある南嶺山頂も知らなければわかりにくい場所にありますのでご案内しておきます。
談古嶺から南に歩を進めると、史跡案内図の看板とともに廃墟となっている建物があります。
写真左手へ進みます
右手へ行けば駐車場など
ここを右折すると駐車場などの施設方面へ向かえますが、三角点を確認するためにまっすぐ進みます。
まもなく屋島の鳥、屋島を訪ねてという看板とともにとんがり屋根の東家があります。
ここで見られるこの柱 (写真参照) から内に進んでいくと三角点を確認できます。
道があり進むと三角点へ
最初になんとなく歩いた時は見逃しました。
かつては案内板があったのが朽ちたのでしょうか……。
何はともあれ、屋島の一等三角点を確認です。
標高292m
冠ヶ嶽と屋島寺
三角点を確認したら第84番札所屋島寺方面へ向かい、最後の展望所獅子の霊巌と屋島城跡に立ち寄ってから戻ります。
なお、屋島南端の冠ヶ嶽にも展望所がありますので余裕があれば寄ってみても良いでしょう。
たくさんのコースがあります
談古嶺から南に歩いてきてそのまま南へ進むと、建物の間の案内から道が続いています。
麓の讃岐東照宮屋島寺からここを目指して登る直登ルートもあり、岩場ロープ場もある人気コースだそうです。
続いての屋島寺は見どころが多過ぎるので、一部だけ。
屋島寺(やしまじ) は、正しい名前を南面山千光院屋島寺。
真言宗、鑑真和上により開基され8世紀に創建されたとても由緒あるお寺です。
化け狸の伝説が有名で、その名を太三郎狸。アニメ平成狸合戦ぽんぽこでも話題に。
この狸はその後に徳を積んだとして氏神蓑山大明神として屋島寺内に祀られています。
獅子の霊巌
獅子の霊巌は、海に向かって吠える獅子のような岩があることから命名された展望所です。
土産物などの商店街があり山頂駐車場付近にはトイレもあります。
こちらは日本の夕陽100選に選ばれています。
香川県では父母ヶ浜も有名ですね。
高松市街の夜景と夕陽を合わせて楽しめるデートスポットとして、日暮まで人が多い場所です。
北嶺もよく見えています
少し北へ進むと屋島城跡。
ここまで歩けば屋島をぐるっと堪能したといえるでしょう。
道なりに談古嶺へと戻り、また北嶺へと戻ります。
このコースで歩くと、およそここまで4.2km90分ほどです。
下山まででおよそ3時間程度となり、ちょうど良いコースではないでしょうか。
あとがたり
香川県の観光名所、屋島についてご紹介しました。
とても語るべき魅力が多い場所ですが、今回はあくまで標準的な登山コースとして北嶺登山口より歩いてみました。
史跡や植生・地学的にも知るべきことが多く、現地の案内板も充実していますのでぜひ実際に訪れてみてくださいね。
それでは今回もお読みいただきありがとうございました。
また違う山でお会いしましょう。
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