寒峰【四国百名山/徳島】
こんにちは四国グラフィです。
この記事では徳島県三好市の寒峰(かんぽう) についてお届けします。
これから寒峰へ登ってみようかな、という方は是非ご覧ください。
※この記事の元になった登山は2023年3月上旬です。
Contents
寒峰 概要
寒峰 (かんぽう)
標高1604.6m
徳島県三好市
四国百名山
寒峰について
寒峰は徳島県祖谷山系に属し、黒笠山~矢筈山~烏帽子山の主稜から南に位置する山です。
山頂付近には背の高い木々がなく開けており眺望には恵まれ、その寒々とした姿が命名の由来になったとされています。
寒峰山頂は特に烏帽子山からよく眺めることができ、手前の寒峰峠と合わせて双子のような姿を目にすることができます。
名前の通りというべきか冬季には雪の山としても知られ、よく雪山入門の場として名が挙がります。
特に西寒峰と間の谷間では春先まで雪が残り、降るにしてもトラバースをゆくにしても歩きごたえのある雪道となるでしょう。
寒峰のフクジュソウ
今回ご紹介する南尾根を登るコースでは、中腹にフクジュソウの群生地があります。
早春に黄色く輝く美しい花を咲かせることから福告草(フクツグソウ) と呼ばれていたものが福寿草に転じたとの説があります。
元日草(旧暦の正月ごろに咲く) や朔日草の別名も素敵ですね。
フクジュソウはキンポウゲ科の多年草で、寒峰では2月末から3月にかけて残雪の下より咲き、見ごろを迎えることが多いようです。
多くは落葉樹林の足元に咲き、登山家にもひろく愛される花です。
ちなみに根と枝は有毒性だそうですので食用は厳禁。
平家伝説
登山口手前で目にする粟枝渡八幡神社には平家落人伝説が残っています。
屋島の合戦で祖谷山系へ逃れた安徳帝は7歳までこの地で過ごし、その後病により崩御された。
ご遺体をこの神社で荼毘に伏したのち、そのご遺骨をご神体として祭り八幡神社と名付けられたそうです。
寒峰山頂手前で通過する寒峰峠を渡って逃げ延びたとも言われています。
八幡神社では秋祭りが毎年旧暦8月15日に行われています。
登山口紹介
寒峰登山においては、三好市東祖谷の住吉神社から登るコースが代表的です。
ほか落合峠などから前烏帽子山を経由して縦走することも可能です。
Google Map
登山口情報
住吉神社奥には4台分ほど駐車スペースがあります。
トイレなどの施設はありません。
付近は主要会社の電波は入っています。
登山口となる住吉神社(粟枝渡)方面への道は、国道439号線の下瀬トンネル前後より集落へ入り林道を登っていけば道なりに到着します。
冬季でも大歩危方面からアプローチできるでしょう。
登山コース紹介
住吉神社から西へ穏やかな植林帯を歩き、再び林道に出合うと寒峰登山道入口の標が立っています。
たびたび急登を越えつつ歩くと中腹でフクジュソウの群生地に到着します。
尾根に出ると一旦南西方向へ切り返して4等三角点のある1415mピークへ。
その後北へ尾根沿いに進み標高1518mの西寒峰へ到着すれば、急な谷間の先に寒峰山頂が見えています。
コースマップ
登山記録
それでは、実際に寒峰へ登った際の記録を写真と共にご紹介します。
住吉神社登山口より
神社の建物から左奥、竹林の中からスタートです。
最初の登りは緩やかで、作業道と思われるつづら折りの道の間を直登していく形になります。
直登の道を外れてしまうと遠回りでロスしてしまうので現在地には気をつけましょう。
30分ほど歩けば再度林道に出合い、道を渡れば寒峰登山道入口の道標が立っています。
なお、ここまで車で来ることも可能ですが、道幅は狭く付近への駐車は難しいです。
周辺には作業車も行き来しておりましたので住吉神社に駐車して登るのをお勧めします。
フクジュソウ群生地
道標の階段から急な短い登りを越えると、しばし緩やかなトラバースが続きます。
無雪期ならば快適に歩いていけるでしょう。
まばらですがミツマタの蕾なども見かけました。
林道出合から30分ほど歩けば看板のあるフクジュソウの群生地へ着きます。
寒峰山頂までにはこの後2箇所のピークを経由し、それぞれ休憩にも適していますが、フクジュソウの咲いている季節ならばここは絶好の休憩スポットです。
黄金色に咲く美しい花を楽しんで一息入れます。
くれぐれも踏まないように注意しましょう。
Photography:フクジュソウ
フクジュソウを狙って撮影するならば大きく撮れる中望遠のレンズか、マクロレンズなどを持っていくのをお勧めします。
※作例は全て70-200mmレンズを使用
西寒峰へ
フクジュソウ群生地を越えて歩いてゆくと、矢印とともに寒峰山頂方向を示す看板が登場(標高約1211m地点) 。
ここから南西方向に一旦切り返して尾根に乗り、急登を登ってゆきます。
その後も看板に従い尾根上のルートを歩くと標高1415m地点で4等三角点(栗枝渡) のある小ピークへ到着です。
引き続き北へ尾根を歩いてゆきましょう。
尾根伝いに進めば次は標高1518mピークの西寒峰ですが、ここは右手へ巻いてピークを回避するのも一般的のようです。
トラバースする場合は痩せた尾根道を越えたあたりで右手へ折れましょう。
直進して進んで西寒峰へ登頂した場合、そのまま寒峰方面へ進む際に谷間への道が非常に急な降りとなり注意が必要です。
西寒峰をトラバースして到着した湿地状のコルには寒峰山頂への最後の看板が建てられています。
フクジュソウ群生地よりおよそ70分ほど。
ここから手前の峠を越えて寒峰山頂へ進みます。
寒峰頂上へ
湿地状のコルから再び樹林に入って登ってゆきます。
圧巻のブナの大木を目にしながら歩くと峠に立ち、目の前に寒峰を目にすることができます。
この峠は寒峰峠と呼ばれ、平家の落武者がかつて通ったと言われているそうです。
山頂手前からはすでに三嶺や天狗塚をはじめ剣山系の山並みを綺麗に眺められるでしょう。
コルから30分程度歩けば寒峰山頂へと到着です。
寒峰山頂
寒峰山頂は標高1604.6m。
看板と2等三角点があり、周囲は開けており恵まれた眺望を楽しめます。
南は剣山系の天狗塚から三嶺、遠くに剣山まで。
西に国見山や中津山、北から東にかけて烏帽子山~矢筈山などを見渡せます。
動画:寒峰山頂より
参考コースタイム(往路)
住吉神社登山口
~ 寒峰登山道入口 (25分)
~ フクジュソウ群生地 (30分)
~ 1415mピーク (35分)
~ 1518m(西寒峰) (20分)
~ 湿地状のコル (10分)
~ 寒峰山頂 (30分)
往路
活動時間 2時間30分
歩行距離 4.2km
下山:落合峠より
寒峰山頂からは往路を戻るのが一般的ですが、落合峠分岐を経由して(途中まで)東の尾根に沿って降り、林道から起点の住吉神社へ戻るバリエーションコースもあります。
活動記録を遡ってもあまり歩いている方は居られませんでしたが、参考までに残しておきます。
落合峠分岐より
山頂より東の前烏帽子山方面へ歩くと、10分ほどで分岐の看板に出会います。
ここより南東へと降り、小さな看板のかかる1279m標高点を目指していくのですが、降りはじめのルートがわかりにくいです。
視界が開けている小川沿いからやや西(右手)の林に赤テープがかかっています。
ある程度進んで尾根に乗れば問題なく歩けるでしょう。
途中からは運送用のレール沿いに歩いてゆけば、1279m標高点付近の看板を目にします。
標高1279m地点より
ここからは資料によりコースが分かれます。
①このまま尾根沿いに歩き急な降りを越えるか
②尾根を外れて東の1094m標高点を経由する道に入る
選択になります。
筆者は(YAMAPアプリで採用されている) 後者の道を歩いてみました。
1279m地点より尾根を外れて進む区間は倒木が多く道もわかりにくいですが、トラバース道に入ってからは比較的明瞭で歩きやすかったです。
1094m標高点ではとくしま県版保安林の看板が建てられているのが目印になります。
そのまま道なりに進んでいけば朽ちた橋を通過。
行き止まりに当たったら林道へ降りましょう。
お疲れ様でした。
あとは30分弱の林道歩きで住吉神社へと戻ります。
参考コースタイム(帰路)
帰路
寒峰山頂
~落合峠分岐 (10分)
~標高1279m地点 (40分)
~標高1094m地点 (25分)
~林道出合 (15分)
~住吉神社 (25分)
帰路
活動時間 1時間55分
歩行距離 4.8km
あとがたり
フクジュソウの咲く寒峰の記録をお届けしました。
手前の登山道にはミツマタの蕾もみられ4月にはこちらも黄色い花をつけるでしょう。
3月のもちろん通年登ることのできる眺望の良い山ですので、まだ登られたことがない方もぜひ行き先に検討してみてくださいね。
寒峰の近くの四国百名山記事はこちら↓
それでは今回もお読みいただきありがとうございました。
また次の山でお会いしましょう。
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