南嶺【高知県】
こんにちは四国グラフィです。
今回は高知県高知市にある里山鷲尾山を中心に南嶺についてお届けします。
※この記事の元になった登山は2022年4月〜8月のものです。立入禁止地区・私有地などには十分ご注意ください。
Contents
南嶺とは
高知市南部には、春野町を中心に標高100-300m台の低山が集い小さな山脈をなしており、これを総じて南嶺(なんれい) と呼んでいます。
代表するのは眺望の良い鷲尾山(わしおやま)です。
一帯が県立自然公園にも指定されており、山頂からは太平洋・浦戸湾その奥に室戸岬まで一望することができ、多くのハイキング客やトレイルランナーなどに愛されています。
高知市中心部から20分で最寄りの登山口へ到着できるアクセスの良い山ながら、南嶺を縦横断往復すると歩行距離は10kmを越え、多彩なコースが選べることからもなかなか味わい深い山といえます。
南嶺の山 一覧
南嶺を構成する名のある山は以下の6座です。
(北より)
(名称) | (標高) | (一口メモ) |
筆山 | 118m | 山頂公園・駐車場 |
皿ヶ嶺 | 162m | 展望所・東家 |
宇都野山 | 256m | 丸太のベンチ |
鷲尾山 | 303m | 眺望良し ベンチ |
烏帽子山 | 358m | 南嶺最高点・石土神社・一等三角点 |
柏尾山 | 322m | 柏尾城および寺跡地 |
南嶺ハイキングコース
南嶺はそれぞれの山への登山口があるため多くのハイキングコースが考えられます。
最も多く登られている山は、太平洋に向けた展望に優れる鷲尾山でしょう。
鷲尾山へは鷲尾トンネル北側出口すぐの登山口や、筆山公園駐車場を利用して皿ヶ峰、鷲尾山へと登り往復するコースがよく歩かれています。
他にも柏尾山や宇津野山へ登って縦走して目指したりとさまざまです。
今回は筆山を起点に鷲尾山まで登ることを想定してご紹介していきます。
登山口へのアクセス
南嶺登山口へはいずれも高知市中心部から容易にアクセス可能です。
代表的な2箇所をご紹介しておきます。
起点①:筆山駐車場
筆山には山頂公園のほか墓地や合宿所などがあり、中腹には利用者向けに駐車場が開放されています。トイレも整備されています。
筆山駐車場
筆山へは潮江天満宮そばに登山口がありますが、駐車場の問題から中腹まで車で登り、車を置いて登山する方が多いと思われます。
起点②:鷲尾トンネル登山口
鷲尾トンネルの北側すぐに登山口および看板があります。
舗装されたスペースに数台駐車可能で、元旦などを除けばまず駐車可能だと思われます。トイレはありません。
こちらを利用する場合は序盤尾根に乗るまでやや荒れた道を歩きます。
登山記録
それでは実際に南嶺を歩いた際の記録とともに、南嶺ハイキングをご案内していきます。
歩くのは前述した筆山〜鷲尾山の往復コースです。
筆山駐車場
筆山中腹の駐車場は10台程度のスペースがあり、トイレも整備されています。
この近くよりまずは皿ヶ嶺へと続く登山コースへ入っていきます。
なお筆山頂上はここより10分程度登った山頂公園内にありますので、先にみておいても良いでしょう。
それでは登山開始です。
筆山ハイキングコースの看板から墓地の間の道を真っ直ぐ進んでいきます。
5分ほどで墓地を抜け、県立自然公園案内図の看板が登場し、ここから登山道です。
皿ヶ峰山頂下には巻道もありますが、大した差はありませんので分岐部は右手に取り山頂を経由していきましょう。
鬱蒼とした森を歩きますが10分足らずで視界が抜け、電波塔とともに東家が現れます。
丘へと登りきると早速皿ヶ峰(163m)へ到着です。
約20分、歩行距離600m。
皿ヶ峰
皿ヶ峰は東方面の市街地、北竹島町や百石町エリアを眺められる心地よい場所です。
入江を挟み五台山方面を眺めることができます。
天気が良ければ振り返り北側に工石山などを見ることもできるでしょう。
墓地山ではありますが開けた眺めはいつも涼しげで、秋~冬にかけてはススキの揺れる風景がみもので子供連れのピクニック客もよく目にします。
道なりに緩やかに下り、鷲尾山方面へと進んでいきましょう。
下りはじめすぐ、巻道との合流部付近には眺めの良いライオン岩が。
南嶺の登山道は全体的に明瞭ですが、この皿ヶ峰~鷲尾山間はその他の登山口が数カ所で合流しています。
親切に看板が立てられていますので間違えなく鷲尾山へ向けて進みましょう。
違う方向へ降りると起点へ戻るのは結構大変です。
高見登山口、幸崎登山口からの合流部を経て進んでいくと、登りの先で舗装道を横切り私立学校脇を通過していきます。
再び山道に入るまでの道でベンチがあり、皿ヶ嶺〜鷲尾山間のおよそ中間地点になりますので休憩を挟んでも良いでしょう。
皿ヶ峰〜土佐塾高校まで
約30分、歩行距離約1.5km。
土佐塾高校より
校舎脇を通過してすぐに再び山道に入ります。
道なりに標高を下げて行くと吉野越えの看板とベンチがあり、こちらも吉野登山口からの合流部となっています。
ここからは落ち着いた山道です、再び登ってゆきましょう。
さらに歩くこと15分、吉野越えより400mほどで宇津野山分岐が看板で示されています。
今回は鷲尾山方面の看板に従って右手に登り、東西の尾根へと乗りましょう。
なお左手宇津野山方面に向かうと30分ほどで宇津野山頂上へと向かえます。
ここからはもう10分ほどで鷲尾山山頂(306m)へ到着です。
土佐塾高校から鷲尾山
約35分、歩行距離約1.1km。
鷲尾山山頂へ
尾根に乗ると10分ほどで山頂へ到着です。
最後に短い登りがありますがあともう少し。
鷲尾山山頂は南方向への眺望に優れ、太平洋と浦戸湾、春野地区の街並みを眺めることができます。
元旦は御来光登山の方も集まるんだとか。
山頂は広い広場があり、数組がピクニックシートを敷けるでしょう。
対空監視所跡だという大きな穴が空いているのが印象的です。
山頂広場と付近には食事休憩に適したベンチが数カ所設置されています。
景色を楽しんだら往路を戻って下山、または次の目的地へ向かいましょう。
筆山から鷲尾山まで
歩行距離3.4km、活動時間90分程度での到着でした。
おまけに残る3つの山についてご紹介しておきます。
南嶺 その他の山々
烏帽子山
烏帽子山(359m) は鷲尾山の西方向にある山です。
鷲尾山などからの縦走の他、南側の住宅地南ヶ丘にも登山口があります。
あまり登山者は多くありませんが、南ヶ丘にも駐車可能スペースもあります。
この烏帽子山は、
- 南嶺最高地点
- 山頂に石土神社
- 1等三角点
- 山頂手前の急登の鎖場 (直登コース)
など意外と見どころの多い山となっています。
鷲尾山までとは異なり比較的急なアップダウンがある山で、尾根上の道は整っていますが南からの直登の道はかなり滑りやすいため心して歩きましょう。
鷲尾山から縦走してくると途中で竹の椅子が組まれた展望の良い休憩所などがあります。
鷲尾山から烏帽子山まで縦走する場合、およそ1km 30分程度の道のりです。
なお鷲尾トンネル登山口から登ってくると、この鷲尾山と烏帽子山の尾根上に出ることになります。
鷲尾山・烏帽子山ともに楽に登頂するためにはここを利用すると良いでしょう。
柏尾山
柏尾山(323m) は烏帽子山より西にあり、春の運動公園付近より登山道が伸びるため南嶺の縦走者の他にトレイルランでも歩かれています。
かつて南北朝時代には柏尾城が築かれ、現代の高知市をぐるりと一望できる要地であったようです。
近代に入ってから藪化が進み現在は眺望はほとんどありません。
山頂付近にある柏尾城跡地の看板を奥に進み、1段高い場所に山頂を示す看板がかかっています。
かつては三角点があったようですが、現在は廃点となっているようです。
柏尾山へ直登するコースは複数ありますが、
春野運動公園北西出口付近からのコースは入口付近に立ち入り禁止の看板がかけられており、登山道に入る前に倒木などで荒れているため使用するのは問題があるかと思います。
運動公園北東の多目的広場にある駐車場から東に歩き、若一王子宮付近(※)から登るコースが歩きやすくおすすめです。
(※) 表記は現地看板に従う Google Mapでは若一王寺神社と記載あり
青い建物の坂本公民館を目印に右へ入ります
宇津野山
今回紹介したコースの中で鷲尾山手前の分岐を東(左) にとれば宇津野山(256m) です。
稜線上に鉄塔がありますが、その他は終始森の中を進みます。
山頂部には丸太のベンチが設置されていますが眺望はありません。
直登には南側より1時間程度で登れる西谷登山口や、東側海抜0mの浦戸湾沿い孕登山口(大海津見神社付近)があります。
南嶺を筆山からではなく東から西へ踏破する場合は最初に迎える山頂がこの宇津野山です。
宇津野山まで2時間程度、柏尾山を踏んで下山するまで5時間程度を要するなかなかのコースになりますので、十分な計画のもとに挑戦してみてください。
この場合は起点に戻る用意が必要となります。
あとがたり
高知の里山、南嶺についてご紹介しました。
地元の低山ではありますがたくさんの歩き方があり、時には景色を楽しむハイキング、時にはトレーニング代わりの系登山にと地元の方なら何度もお世話になる山々です。
県外の方もぜひ高知市にお越しの際は軽く登ってみてくださいね。
それでは今回もお読みいただきありがとうございました。
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