寒霞渓・星ヶ城山【四国百名山】
こんにちは、しこぐらBLOGです。
この記事では香川県小豆島の寒霞渓および同島の最高峰である星ヶ城山について、観光・登山に必要な情報を写真と共にお届けしています。
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※この記事の元になった登山は2021年11月上旬および2022年10月下旬、2025年11月などです。
Contents
寒霞渓・星ヶ城山
概要

寒霞渓について
瀬戸内海国立公園の代表的観光地として名を馳せるのが寒霞渓(かんかけい) です。
瀬戸内海の小豆島にありて日本三大渓谷美のひとつとして名高い景勝地。
三笠山(みかさやま)と四方指(しほうざし) の間にある渓谷で、太古の火山活動と地殻変動・風雨による侵食により永い時間をかけて奇岩の並ぶ風景を成しています。
遊歩道より眺める奇岩は寒霞渓十二景および裏八景と名付けられ、登山道中から眺めることができます。


寒霞渓 歴史と由来
寒霞渓の歴史は古く、日本書紀にも登場しています。
古墳文化時代に応神天皇がこの山の岩やモミジに鉤をかけて登られたことから神懸山(かみかけやま) などと呼ばれていたそうです。
その後19世紀に儒学者の藤澤南岳によって寒霞渓と命名されました。
明治時代より皇族がたびたびこの地を訪れ、昭和9年(1934) に第1号国立公園として寒霞渓を中心に瀬戸内海国立公園に指定。
昭和中期には寒霞渓ロープウェイやドライブウェイが開通。
以来、寒霞渓から瀬戸内海を望む景色を求めてより多くの人がこの地へ訪れています。


車道が続いており気軽に観光できます
星ヶ城山について

標高817m
寒霞渓・星ヶ城山として
四国百名山・百山
しま山100選
馬の背コース途中より
奥右に東峰、左に連なるのが西峰
寒霞渓登山道(遊歩道) を登った先にあるのは三笠山の山頂。
その東約1.5kmの場所に位置し小豆島最高峰であるのが星ヶ城山(ほしがじょうさん) です。
星ヶ城山の標高は816.7m、これは瀬戸内海の島々の中でも最高地点となります。
かつて南北朝時代に佐々木信胤(のぶたね) が天然の要塞として戦術の要所であるこの地に拠点を構えたその名が星ヶ城。
香川県指定史跡でもあり、現在もその数々の名残をみることができます。
星ヶ城山の東峰には小豆島唯一の一等三角点があります。
寒霞渓・星ヶ城山
登山コース紹介
寒霞渓・星ヶ城山を登山として楽しむ場合、麓のロープウェイ駅がある紅雲亭付近より遊歩道を歩くのがおすすめです。
寒霞渓二十景と呼ばれる奇岩を望むポイントが表十二景・裏八景に分かれ2本の登山道に点在しています。
紅雲亭からロープウェイ山頂駅まで、どちらも1時間程度の舗装路です。
ロープウェイ山頂駅には三笠山・星ヶ城山への登山口入口があり、さらに50分程度で東峰へ至ることができます。
コースマップ

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ロープウェイ山頂駅まで

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山頂駅から星ヶ城山まで
参考コースタイム
- 紅雲亭
- 表十二景の道・四望頂へ (45min)
- ロープウェイ山頂駅 (10min)
- 三笠山・山頂広場 (15min)
- 星ヶ城山 東峰 (45min)
- ロープウェイ山頂駅まで戻る (40min)
- 裏八景の道・石門洞へ (50min)
- 猪谷登山口 (20min)
- 紅雲亭 (15min)
(参考)
活動時間 5時間11分
歩行距離 8.5km
獲得標高 657m
寒霞渓・星ヶ城山
アクセスと交通手段
小豆島へはフェリーや高速艇を用いて渡ることになります。
令和3年に高松〜草壁港が運行休止となりました。
現在土庄港か池田港へ着港する便で往来することがほとんであると思われます。
本州からは神戸三宮港、姫路港、岡山日生港、新岡山港、岡山宇野港(豊島経由) からの航路があります。

寒霞渓ロープウェイ駅である紅雲亭へは、池田港から乗れるバス寒霞渓急行線などが利用できますが帰りの最終便は14時50分発とやや早め。
無料シャトルバスは草壁港〜紅雲亭間の運行で、こちらは最終便が16時です。
小豆島ではレンタカーも手配できますので、フェリーを利用して自動車で向かわない場合はよく準備してからアプローチしましょう。
(参考↓)
登山口情報【紅雲亭】


十二景・裏八景が紹介されています
ロープウェイ駅の紅雲亭には無料駐車場とトイレ、自動販売機があり、登山口としては恵まれています。
紅葉の時期などは駐車場がいっぱいになる可能性もありますが、引き返した地点の路側帯などに駐車することもできます。
さっそく表第一景および第二景を目にするスポットでもあります。
Google Map
ロープウェイ情報
運行は春~秋にかけて8:30~17:00 、冬は16:30 が最終便でまれに運休日があります。
料金も季節により異なり、ハイシーズンで片道大人1350円 (令和7年時点)。
寒霞渓ロープウェイ
https://www.kankakei.co.jp/ropeway/
最終便で降れば、日没ギリギリまで三笠山からの夕景を楽しむこともできます。
往復徒歩を予定している場合も万一の場合も考慮してお金は持って登りましょう。
またロープウェイでしか味わえない渓谷美も魅力的です。
寒霞渓二十景
名称一覧
| 第一景 | 通天窓 | ツウテンソウ |
| 第二景 | 紅雲亭 | コウウンテイ |
| 第三景 | 錦屏風 | キンビョウブ |
| 第四景 | 老杉洞 | ロウサンドウ |
| 第五景 | 蟾蜍岩 | センジョガン |
| 第六景 | 玉筍峰 | ギョクジュンポウ |
| 第七景 | 画帖石 | ガチョウセキ |
| 第八景 | 層雲壇 | ソウウンダン |
| 第九景 | 荷葉岳 | カヨウガク |
| 第十景 | 烏帽子岩 | エボシイワ |
| 第十一景 | 女羅壁 | ジョラヘキ |
| 第十二景 | 四望頂 | シボウチョウ |
| 裏一景 | 鹿岩 | シカイワ |
| 裏二景 | 松茸岩 | マツタケイワ |
| 裏三景 | 石門 | セキモン |
| 裏四景 | 大師洞 | タイシドウ |
| 裏五景 | 幟岳 | ノボリダケ |
| 裏六景 | 大亀岩 | タイキイワ |
| 裏七景 | 二見岩 | フタミイワ |
| 裏八景 | 螺貝岩 | ホラガイイワ |
表十二景










裏八景






枝葉が伸びて遊歩道から眺められないスポットもあります。
どうしても全てコンプリートしたい! という方は冬の来訪も良いかも知れません。
寒霞渓は紅葉はもちろん、新緑に深い緑の時期など一年を通じて楽しむことができます。
登山記録
それでは紅雲亭より三笠山・星ヶ城山へ。
寒霞渓二十景周回コースで歩いた記録をお届けします。
表十二景の道
ロープウェイ駅の奥すぐ、紅雲亭の東家より登山道へ入ります。

全体を通じてコンクリートで舗装された緩やかな登りの道を、看板に示された奇岩を眺めながら歩いてゆきます。


11月の初旬だとまだ登山口付近は紅葉していないようですが、山頂に近づくにつれて少しづつ鮮やかな木々が増えていきました。
歩き始めるとまもなく、第三景の看板を目にします。
錦屏風から画帖石
さっそく第三景の錦屏風。
看板の位置から見上げると、まさに屏風のように横に広がり並んだ岩壁が。


このように振り返り見上げて奇岩を探しながら1時間弱の散歩道です。
続く第四景の老杉洞は少しわかりにくく、遊歩道から左手に少し逸れたところの正岡子規の歌碑に向かって左前方にあります。


右写真の中央、岩壁の中央が洞窟になっているのが老杉洞です。
この辺りはニホンザルが生息しているそう。
蟾蜍岩、玉筍峰、画帖石と目にしていくとおよそ表十二景の道の半ばほどです。
画帖石のみ登山道目の前にどんと登場します。
その名の通りスケッチブックのような見た目だからとか。

第十二景四望頂まで残り半分ほど、続けて進んでいきましょう。
層雲壇から四望頂
第八景層雲壇の看板の向かいには東屋があります。
四望頂に至るまでは唯一の休憩所です。


荷葉岳、女羅壁を越えて最後の登りです。
なお第十景の烏帽子岩は登りきった四望頂より綺麗に眺めることができます。
尾根道に乗る手前は一部急な傾斜があり鎖が張られていますが、難なく進めるでしょう。
一応迂回路も設定されています。

登り切ると展望所である第十二景四望頂です。
渓谷に加え海と空、瀬戸内海越しに四国の姿を眺めることができる最も景観の良い場所のひとつ。
紅雲亭より四望頂までゆっくり歩いて50分ほどです。
四望頂からの景色



続いてはドライブウェイ沿いの遊歩道を東に進んでいきます。
ロープウェイ山頂駅並びに三笠山山頂方面です。
鷹取展望所・空の玉


四望頂から車道沿いの遊歩道を東方面へ向かいます。
一本南の迂回路では鷹取展望所もありますので寄ってみるとよいでしょう。
応神天皇が鷹狩をしたことが名の由来だそうです。

また、この区間に瀬戸内国際芸術祭のアートオブジェクトである空の玉も2022年より公開されており、人気のフォトスポットになっています。
寒霞渓・ロープウェイ山頂駅
寒霞渓ロープウェイ山頂駅の付近は、駐車場を含めて広い公園となっています。
展望所に案内板やベンチ・東家、売店やフードコートなどが多数。
第一・第二展望所にカフェや土産物屋、通称一億円トイレと充実しており、晴れた日は人で賑わっているはずです。
第二展望所付近には東屋にセルフィースタンドのある撮影所、瓦投げスポットなど見所満載。
第一展望所はロープウェイ駅の前を通過して南奥に迫り出した場所にあります。



左手前に瓦投げのリングあり

右奥にある鳥居を潜り三笠山へ
後半ページへ続きます







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