剣山 【徳島/日本百名山】

こんにちは四国グラフィです。

この記事では四国が誇る日本百名山のひとつ、徳島県の剣山(つるぎさん) について、登山に必要な情報を写真と共にご紹介します。

※この記事の元になった登山は2022年10月、2024年5月などです。

剣山 概要

剣山(つるぎさん)
標高1955m
徳島県三好市/美馬市/那賀郡
日本百名山
四国百名山・百山
新日本百名山
花の百名山
一等三角点百名山

剣山について

剣山は徳島県の最高峰。
石鎚山に次いで西日本2位標高1955mです。

穏やかな山容で老若男女問わず多くの方に愛され、日本百名山に数えられています。

剣山系縦走は四国屈指の人気コースであり、中でも剣山から次郎笈への雄大な稜線は登ったことがなくとも写真で目にしたことがある人は多いでしょう。

剣山から次郎笈への稜線

紅葉シーズンは全国より多くの登山客が集まり、200台規模の駐車場が満杯になるほどです。

アクセスこそ大変ですが四国を代表しておすすめできる山といえるでしょう。

山岳信仰

剣山も古くから信仰の山として知られており、山岳信仰盛期には広く信仰を集めました。

尾根道コースの西には鎖場を含めた行場跡が残っており現在でも稀ですが修行の方がおられるとか。
一ノ森方面への往来の途中に見ることができます。

通常のコースで登る過程でも、登山口の劔神社、山頂の宝蔵石神社、中腹の大劔神社をはじめ多くの神社や祠を通過するのも見どころです。

剣山 御神水

剣山山頂付近より湧き出る御神水(おしきみず) は、環境省選定の名水100選に選ばれています。

平家ゆかりの祖谷川の源流であり、病気を治す若がえりの水として知られています。

中腹の大劔神社から5分ほど降ったところ、遊歩道コースとの連結路途中にありますが、現在は周辺とお社が崩落しています。

花の百名山

一年で最も多くの人が集まるのは紅葉の10月中旬~下旬だと思われますが、春から夏にかけても通年多くの登山者で賑わっています。

剣山は花の百名山にも選定されています。

春先はシコクバイカオウレンイシダテクサタチバナ、夏はキレンゲショウマツルギカンギクなど。様々な高山植物が自生しています。

特にキレンゲショウマは尾根道コースから行場方面の道途中に群生地があり、8月上旬頃に黄色の美しい花をつけ、天然記念物に指定されています。

登山口情報

剣山の主要登山口は見ノ越登山口です。

縦走路の起点・終点を含めて大多数の方が使用しています。

見ノ越登山口

見ノ越はロープウェイ駅でもあり、複数の舗装された駐車場が整備され合計200台程度駐車可能です。

冬季を除いて開放されている綺麗な水洗トイレがあります。
自動販売機のほか周辺にはお蕎麦屋さんなどもありますが、2019年のコロナウィルス感染症の関係で営業は縮小しています。

剣山の登山道はかなり通信環境には恵まれており、山頂を含めて主要な道にいれば大体電波が繋がります。

アクセス

見ノ越へは基本的に自動車を使用しますが、路線バスも運行しています。

ちなみに四国外から来られるかたで飛行機を用いる場合は、おそらく高松空港からレンタカーを利用するのが最速です。

自動車の場合

①徳島県美馬市より国道438号線を南下する
②高知県側は大豊町より国道439号線を東に走りかずら橋・剣山方面

(多くの地域からは剣山に登る時間よりも運転の方が長いでしょう)

438号線を用いる場合は、吉野川を渡って貞光川沿いに入るとコンビニなどは出てきませんので、早めに買い物などは済ませておきましょう。
つるぎ町貞光のローソンやスーパーマーケット、道の駅貞光ゆうゆう館などあります。

なお、冬季は周囲の林道多くが通行止めになるため、スタッドレスタイヤやチェーンを使用して国道438号線を使用することになります。

バスの場合

剣山登山バスがあり、徳島県の美馬市貞光もしくは三好市東祖谷から見ノ越へのバスが出ています。
JRを用いてJR貞光駅へ向かえば公共交通機関でもアクセスは一応可能です。

4月中旬から11月までの基本的に土・日曜・祝日と限定的な運行です。
大型連休や例祭時は特別運行している日もあります。

計画を立てる場合は事前によく調べておきましょう。
時刻表などについては公式ウェブサイトをご覧ください。

三嶺~剣山縦走において起点に戻るためにもよく活用されています。

つるぎ町ウェブサイト
https://www.town.tokushima-tsurugi.lg.jp/docs/2343466.html

剣山観光登山リフト

剣山には中腹の西島駅(標高1750m) までロープウェイが運行しています。
体力や計画に応じて利用することも検討できます。

料金

大人往復1900円片道1050円です。
4月中旬より11月末ごろまで運行しています。

平常時は午前9時が始発午後4時半ごろの便が最終です。

剣山観光登山リフト株式会社
http://www.turugirift.com/guide.html

その他の登山口

剣山の見ノ越以外の直登路としては、

垢離取から龍光寺・一ノ森経由で登る旧表参道コース
・剣山スーパー林道おおぼら橋からホラ貝の滝経由で登る南つるぎコース

などがありますが、現在は登山者が少なく荒れているという話です。
初心者の方や単独での山行はお勧めしません。

ほか、奥槍戸登山口から西隣の次郎笈へ登ってからの縦走コースなどがあります。
こちらは飲食店である奥槍戸山の家も魅力のひとつです。

コース紹介

見ノ越登山口から剣山へは複数の道があり、現地の案内板でも紹介されています。

ロープウェイで登った先の西島駅で前後半に分け、簡単にまとめておきます。

分岐1:剣神社〜西島駅

分岐時間特記
直登コース40分程度
遊歩道コース+20分程度西島神社

西島駅からの分岐

分岐時間(目安)特記
尾根道コース40分程度枝折神社
刀掛の松
一ノ森へ分岐
つるぎ道コース60分程度大劔神社
お塔石
遊歩道コース80分程度二度見展望所
剣山御神水
山頂南の分岐へ出て急登あり
※積雪のない時期の目安

無雪期はどのコースを選んでも快適に歩けると思いますが、今回は直登から尾根道コースを歩いています。
下山時に違うコースを歩いてみるのも楽しいでしょう。

コースマップ

タップで拡大可

剣山からの縦走路

剣山の山頂からは次郎笈や一ノ森(二ノ森経由) へ縦走することができます。

それぞれ四国百名山に選定されており、また違った角度からの眺望が得られますので、あわせて計画をするのも良いでしょう。

次郎笈からは丸石、高ノ瀬などを経て三嶺方面へと続く"天空の縦走路" が伸びています。

登山記録

それでは剣山登山の記録をお届けしていきます。
天気は快晴に恵まれました。

剣山は2時間ほどあれば登頂できますが、駐車場が混み合う時期は早めの登山口到着をお勧めします。

登山口劔神社

駐車場から劔神社の鳥居をくぐり石段を登ると本宮です。

向かって右手が登山道入口ですので、お参りを済ませて進みましょう。

登山者も多い剣山の登山道はとてもわかりやすく、これといって難所はありません。

ササの間の天然林の道を折り返しながら登っていきます。
少し道がえぐれているところもあり、自然環境保護について考えさせられます。

序盤の登山道

登り始め400m(10分) ほどでロープウェイ道の下をくぐる大きなパイプを抜けると、やや西側を巻く遊歩道との分岐があります。

どちらも西島神社付近で合流しますので、真っ直ぐ(直登) を進みます。

見ノ越より西島駅までは約45分、看板によれば1350mです。

なお西島駅直下にはテント場スペースがあります。
野営場付近からも三嶺・塔丸方面がよく見渡せます。

テント場スペース

野営場付近から剣山山頂・次郎笈や、三嶺などの周辺の山が眺められます。

が、すぐ上のロープウェイ西島駅からも眺めがよく、数箇所の展望ベンチもありますので先に登ってしまうと良いでしょう。

ロープウェイ西島駅

西島駅前のベンチ
近くに塔丸、奥に黒笠・矢筈山方面

西島駅前の広場には数カ所のベンチ、休憩所とトイレがあり、同様に東から北にかけて眺望が良いです。

ロープウェイ駅方向に向かって右奥尾根道の入口があります。
初見で歩いて登るとこの道を見落としやすいので注意。

その反対側に鳥居がありますが、これは中腹の大劔神社の参道鳥居です。
つるぎ道コースや遊歩道コースへ続きます。

尾根道コースへ

尾根道コースは山頂へまっすぐ階段の登りです。

30-40分で山頂へ登れる最短コースで、すぐ標高が上がり景色が変わっていくのが爽快です。
おそらく3つのコースの中では最も歩行者が多いです。

振り返って景色を楽しみながら登っていきましょう。
何箇所か展望所のような場所もあります。

中間地点手前の刀掛の松及び枝折神社までは400mほどです。

ベンチのある休憩所で、一ノ森行場方面、または大劔神社方面へと分岐合流しています。

刀掛の松と平家伝説

尾根道コースの中間地点付近のランドマークに刀掛の松の休憩所があります。

剣山の名前の由来となったとされる平家伝説があります。

かつて屋島合戦の敗北の後、この地に流れてきた平氏と安徳天皇らが剣山に逃れ、草薙剣を山頂に埋め奉納した。
そしてこの尾根を歩き、疲労した一行が休憩をした際、安徳天皇が従者の持つ草薙剣を松に立て掛けて休みなさい、と仰った。

そんな伝説のある刀掛の松の近くに枝折神社の社があり、四脚のベンチが設置されています。

この草薙剣は山頂の宝蔵石神社の名の由来だと云われます。

伝説に準えて休憩所を設けてくれているのが粋な計らいだなと感じます。

こちらからは剣山の東に位置する一ノ森へ繋がる分岐もあり、その道上に8月頃に花をつけるキレンゲショウマの群生地が近くにあります。

中腹の大劔神社への分岐の道もあり、こちらには狛犬がその道を護ってくれています。

剣山山頂ヒュッテ・宝蔵石神社

刀掛けの松から直進して山頂へはあと少し。
尾根道の後半は階段がなくなります。

相変わらずの登り道、ゆっくりいきましょう。

山頂手前には剣山本宮の鳥居
まもなく山頂神社である宝蔵石神社です。

その隣には剣山頂上ヒュッテがあります。

宝蔵石神社の御祭神は安徳天皇大山祗命です。

背後にそびえるのは、安徳天皇の宝剣を納めたという磐座(いわくら) 。

ヒュッテは食堂利用もでき、うどん、はんだそうめん、カレーライスなど。
例年11月中下旬まで営業されているようです。

詳しくはウェブサイトをご覧ください。

剣山頂上ヒュッテ
https://tsurugisan-hutte.com

ヒュッテ前からの眺望

頂上ヒュッテ前には展望案内板があり、特に北方面への眺望に優れています。

見晴らしが良ければ瀬戸内海・紀伊水道まで見渡すことができます。

剣山山頂広場

一ノ森から眺めた剣山
平らで広い頂稜です

剣山山頂は平家ノ馬場と呼ばれるなだらかで広い頂稜です。

現在は植生保護のために渡し板の道が張り巡らされており、数カ所の休憩展望所多数ベンチが設置されています。

山頂には電波塔があり周辺は電波が良好なほか、綺麗な水洗トイレもあります。利用料は100円。


剣山には一等三角点がありますが、厳重に保護されており触れることは出来ません。

山頂広場の南寄りの位置にあります。

山頂付近からは四国の山々を広く見通すことができます。
その中でも見事なのは三角点の先にある次郎笈への稜線を含む景色です。

なお山頂より少し降った先が最も良く次郎笈方面を眺められます。

Photography
剣山山頂

Canon EOS 6D mark2
EF70-200mm F2.8L ii USM + CPL

山頂の動画
剣山 撮影のススメ

剣山に一眼カメラを持っていく場合、1本だけレンズを選ぶならばお勧めは望遠ズームレンズです。

70−200mm程度の焦点距離のものがあれば、山頂付近をはじめ山行全体において周囲の山の景色を大きく撮影することができます。

フィルターをお持ちならばCPLフィルターを持っていくのをお勧めします。

剣山からの縦走

景色を楽しんだら帰路につくか、次郎笈もしくは二ノ森・一ノ森への縦走へ入ります。

二度見展望所を経由する遊歩道コースの帰路は次郎笈方面へ10分ほど降った先にあり、一ノ森方面の縦走路は次郎笈と反対方向からはじまります。

本記事では、一ノ森へ縦走してから見ノ越へ戻りました。
一ノ森では先ほどの剣山・次郎笈をまた違う角度から眺められます。

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あとがたり

四国が誇る日本百名山、剣山の記事をお届けしました。
剣山は老若男女登ることができる整備された登山道で、四季を通じて楽しめる美しい山です。

紅葉の季節は特に素晴らしく、鮮やかに染まった森の中から始まり、それが次第に下へと移っていく過程を楽しめます。
紅葉に飾られた次郎笈や周囲の山々もひときわ素晴らしく映ります。

皆様が登る日も素晴らしい景色が見られますように。

それでは今回もお読みいただきありがとうございました。

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ver1.0 2022.11.13.
ver1.1 2024.6.15.

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