大滝山【四国百名山】

こんにちは四国グラフィです。
この記事では香川県の大滝山について登山に必要な情報を写真と共にお届けします。

※この記事の元になった登山及び取材は2022年9月です。
※後述する通行禁止区域への立ち入りにくれぐれもご注意ください。

大滝山 概要

大滝山(おおたきさん)
香川県高松市/徳島県美馬市
標高943m(城ヶ丸 2等三角点)、946m(最高地点)
四国百名山・四国百山

大滝山とは

大滝山は讃岐山脈に属する香川・徳島県境に位置する山です。
讃岐山脈で3番目に高い標高であり四国百名山に数えられています。

山頂付近に大滝寺・西照神社があり、この付近まで林道が伸びています。

この記事では西に位置する相栗峠登山口より急登を越えて歩くコースをご紹介します。

飯野山から 中央左奥に大滝山

注意事項【必読】

大滝山登山に関して注意しておくべきことがあります。

令和元年より山頂付近が一部私有地のため立入禁止となっています。

この件について香川県の関係部署に確認を取り以下の情報を整理しました。
ご参考にして頂ければと思います。

立入禁止区間

大滝山の立入禁止区間は、

  • 大滝山城ヶ丸より東に伸びるブナ林尾根500mほどの区間
  • 西照神社本宮より西100mほどの道(及びその一帯)

とのことでした。

YAMAP地図などでは前者のみ立ち入り禁止マークがついていますが、実際には最高地点のある山頂付近およびそこから西照神社(にしてるじんじゃ)に抜ける道も寺の霊域にあたり立入禁止であるようです。

立入禁止マップ

山頂付近(西 城ヶ丸〜東 大滝山最高点・西照神社)を示します。

YAMAP地図(筆者注釈)
経緯と背景

大滝山の登山に関しては、西照神社本宮の西に位置する最高地点を山頂とし、主に西の相栗峠や北東からの登山道を歩く道が多くの媒体にて紹介されてきました。

同山は四国百名山に数えられ、登山道の一部は大滝大川自然公園に指定されていること、四国三大急登を含むコースもあることなどから、それなりに登山客もおり親しまれています。

しかし令和元年に現地にて前述の区間に【私有地のため通行禁止】の掲示が香川県側よりなされたようです。

これは登山口付近の看板からは窺い知れない情報で、あまり大々的周知もされなかったため現地で初めて知り驚く方もおられたようです。

また現地であるブナ林尾根に立つ大滝寺の掲示では霊域につきみだりに歩道以外に立ち入らぬことと書かれており、

香川県は私有地立入禁止としているが、地主は歩道の通行を許可しているのでは?

とも解釈できて登山者が困惑する状況があったようです。

ヒアリングの概要

香川県担当部署によると

  • 地主の要請で香川県側が立入禁止の掲示を行った
  • 大滝山最高地点周囲も寺の霊域であり通行可能を保証できない

とのことでした。

香川県担当部署より

香川県側に電話にてお話を伺い確認した内容を元に以下記載します。

  • 令和元年に土地の所有者(大滝寺・西照神社)側より当該区域は霊域のため登山者に立ち入らないでほしいと要請があった
  • 香川県に属する国有林から繋がる道であり従来登山道として歩かれていたのは事実だが、私有地であり当然その要請には応じた

というわけで、指定の区域は立入禁止で間違いないという結論に至りました。

しかし西照神社を通過して大滝山最高地点へ向かう道も立入禁止であるということが同時に判明しました。

ここが通行禁止だと相栗峠からのコースでなくとも最高地点へは近づけないのでは?
と思いもう少し質問してみたところ、以下のことを教えていただきました。

  • ブナ峠へ向かうためには西照神社北側にある山頂園地口を使用してくくれればよい
  • しかし最高地点およびそこへ向かう道については国有林か私有地か判断できず、寺側は霊域として認識しているだろうので、明確に通行してよいと答えられない
  • この一帯の国有林・私有地の境界についてはかねてよりデリケートな問題であった

筆者がお話を聞いた限りでは上記のようなお話でした。
まぁなかなか難しい経緯があったようです。

※なお香川県みどり保全課(自然公園の管理部署)の担当者の方は大滝山の山頂は城ヶ丸だと認識されていた
→みどり保全課として遊歩道を整備したり東屋などを設置しているのは城ヶ丸までなので当然か。
→掲示物には西照神社の左横に『大滝山946M』の絵が描かれていますが……。

※親切にお話してくださった香川県みどり保全課、香川森林管理事務所の担当者の方、ありがとうございました。この場にて御礼申し上げます。

当ブログの方針

現状、確実に通行許可された範囲では

大滝山 城ヶ丸(943m) を目標とする

が良いのではと結論づけました。

理由としては

  • 西の登山道から登ると通行禁止区間の手前
  • 2等三角点が存在 (最高点にはない)
  • 標高は最高地点に近い (943m)
  • 大滝山山頂(946m)に山頂園地登山口を用いて大生口や大相山経由で登ることについては、大滝寺霊域周辺であり許可されるか確認できなかった

万が一にも登山者と土地所有者の間でのトラブルを起こしてはならないので、
自己責任の範囲にはなりますが通行禁止区域に立ち入ることのないように、読者の皆様にはご高配いただければ幸いです。

というわけでこの記事では、西の相栗峠より大滝山城ヶ丸まで 登るコースについてまとめております。

注意事項②

大滝山の北側トラバース道である中間遊歩道中腹線平成30年の滑落死亡事故を受けてその後通行禁止となっています。

その他、県道大滝上西線から登山道をつなぐ道は複数ありますが、一部は道の荒廃により通行不可とされていますのでご注意ください。

登山口・コース情報

大滝山城ヶ丸への登山口は相栗峠などにあります。

ほか北側を走る林道の大滝上西線(県道153号)の登山口から各峠へ登り合流して目指すことも可能です。

この場合は大滝山県民いこいの森キャンプ場の駐車場やトイレを利用すると良いでしょう。

相栗峠登山口

相栗峠は香川県高松市と徳島県美馬市を繋ぐ県道7号線美馬塩江線で通過する峠です。

香川県に位置しますが、香川県外からのアプローチならば高速道路美馬ICより向かった方が近いでしょう。

峠には舗装された駐車場があり、登山者の利用も可能です。
北隣にはトイレもあります。

なお相栗峠からは香川県最高峰である竜王山への登山道も伸びています。

相栗峠と登山道入口
相栗峠駐車場

大滝山いこいの森キャンプ場

先述の県道7号からも派生している県道153号に位置しています。

キャンプ場にある複数の駐車場とトイレを利用して登山することが可能です。

東に林道を歩いてゆくと苫尾峠口三本松口の入口が、さらに歩くこと30分ほどで大生口があり、それぞれの名のつく峠にて尾根道へと合流します。

各入口付近にも駐車スペースは数台分あるそうです。

前述の通り中腹線をはじめ通行禁止の崩壊ルートもありますので、無理な通行はしないでください。

相栗峠~城ヶ丸コース

相栗峠からの登山道は様々な小道と交差していますが、基本的には東へひたすら歩く林の尾根道です。

序盤すぐに厳しい急登を越えますが、それ以外は控えめなアップダウンが続きます。

前半の国地蔵峠をはじめ細尾峠苫尾峠苫尾山大生峠などで案内板が設置されており、ベンチで休憩しながらのんびり歩ける道となっています。

ただし最初の急登は四国三大急登のひとつでロープを掴み慎重に登ることになりますので、その点は心構えが必要です。

登頂までの時間は?

相栗峠より城ヶ丸まではおよそ歩行距離5.6kmで、3時間弱のコースとなります。

登山に特別な装備は必要ないですが、序盤の急登でロープを掴めるようにグローブがあると良いでしょう。

コースマップ
鉄塔があるのは平帽子山

登山記録

それでは相栗峠より城ヶ丸へ歩いた記録をお届けしていきます。

相栗峠登山口より

相栗峠には門松を模したような看板が建てられており、北側すぐの車道沿いに案内板と駐車場があります。

登山道入口です

看板側のコンクリートの階段より東側へ進みましょう。
この後は直進せずすぐに左手の林へ入り、階段の道を進んでいきましょう。

道がたくさん交わっており、この最初が最も道を間違えやすいので気をつけて。

最初の道はこちら
ピクニックに向いてそうな丘

違えずに進めば東家のある広場の脇を抜け、10分程度で急登へと差し掛かります。

四国三大急登

それでは序盤にしてこのコースのヤマ、急登のスタートです。

水平距離にして300m弱程度ですが、実に標高は130m程度を登ります。

細いトラ柄ロープが張られ利用して登ることもできます。
この柄のロープは一般的に体を支えるものではない場合が多いようですが、この場所では捕まることも前提に結ばれているようでした。

行くと納得の急登です

この区間は油断すると道の上を滑落します。
20-30分程度かけてゆっくりと登ることになるでしょう。

伝わりづらいので参考までに動画はこちら。

四国三大急登(動画)

登り終えた場所にはベンチがあります。

急登を終えて一息ついたら落ち着いた道を歩いていきましょう。

急登後のベンチまで
標識によると相栗峠より600m、30分程度です。

平帽子山~国地蔵峠~細尾峠

この後はほぼ全区間が林の中の尾根道歩きです。
頻繁に案内板が出てきますので迷うこともないでしょう。

道なりに進んでいき、200mほど歩いた場所で標識に従い右へ折れます。
さらに300mほどで送電線の鉄塔へ出合いますがここが平帽子山

相栗峠より1100m 45分

全編を通じて大滝山は眺望のない山です。
変化には乏しいですが快適で静かな山歩きで、一部植林のヒノキも目につきますが、天然林の残る道を進みます。

平帽子山より緩やかに降った先が国地蔵峠です。相栗峠より1590m。

国地蔵峠

さらに緩やかな登りを30分ほど歩くと818mの小ピーク。

ここから15分ほどで細尾峠に到着すると、苫尾峠・苫尾山はもうすぐです。

苫尾峠~苫尾山~三本松~大生峠

細尾峠よりさらに5分ほど歩くと苫尾峠へと到着です。

ここへはキャンプ場付近の苫尾口からの道が合流しており、木標のほかベンチが設置されています。
ものの10分も登ればそこが苫尾山です。

苫尾山山頂標高819m、木標が建てられており小さな看板と三角点があります。

とはいえ歩く景色は変わりません。
林の中のアップダウンをひたすら歩いてゆくと、15分ほどで三本松
100mほど過ぎたところに再びキャンプ場方面からの合流部とベンチがあります。

三本松

三本松より次の大生峠(おおばえ峠) までは約1km、約30分ほど。
途中881mの小ピークを越えて向かいます。

大生口からの合流

大生峠相栗峠より5170m、城ヶ丸までは残り500m足らずです。
最後のひと登りがありますので態勢を整えましょう。

大滝山城ヶ丸

大生峠からは軽くつづら折りの登りでラストスパートです。
10分ほど登れば大滝山城ヶ丸に登頂です。

ラストの登り
城ヶ丸 山頂
東家とベンチ・テーブル

お地蔵さん側に2等三角点があります。
山頂には東家とテーブル・ベンチがあり、眺望はありません。

今回の山行はここを目標として、休憩後に往路を引き返します。
お疲れさまでした。

※ここからのブナ林は先述の通り私有地通行禁止です。
20分ほどの距離にブナ峠がありますが、そちらへ向かうには西照神社のすぐ北に位置する山頂園地登山口を用いましょう(ブナ峠まで15分ほど)。
大生峠より大生口に降り、林道を歩いて回り込むのは相当な遠回りです。

参考コースタイム

相栗峠
 ~急登終了(40分)
 ~平帽子山(15分) 計1.1km
 ~国地蔵峠(10分)
 ~標高818mピーク(30分)
 ~細尾峠(15分)
 ~苫尾峠(5分)
 ~苫尾山(10分) 計3.6km
 ~三本松(15分)
 ~大生峠(30分)
 ~大滝山城ヶ丸(10分) 計5.6km

往路 2時間50分 歩行距離5.6km

あとがたり

大滝山城ヶ丸四国三大急登を越えて歩くコースをご紹介しました。

眺望こそありませんが天然林の残る綺麗な山歩きです。急登フリークの方もぜひ。

また今回登山口とした相栗峠より香川県方面へ向かうと塩江温泉郷があります。
大滝大川自然公園にはキャンプ場もありますので、自然を楽しみにぜひおいでください。

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それでは今回もお読みくださりありがとうございました。

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